平成22年度 放射光表面科学部会
顕微ナノ材料科学研究会
合同シンポジウム


日時:

平成22年12月10日(金)10:00 〜 12月11日(土)15:00

 

場所:

東工大 蔵前会館(大岡山駅前)

 

目的:

放射光を使った顕微イメージング技術の発展は目覚しく、大きな発展を遂げている。それは高輝度・偏光・高速パルス光という放射光の特性と表面電子顕微鏡の技術の最近の発展に起因している。SPring-8ではスペクトロスコピック機能をもつ光電子顕微鏡(SPELEEM)が設置されて稼動しており。多数の利用者の要求に応えて着々と成果を出している。このSPELEEMはスペクトロスコピック特性を持つために、数10nmより良い分解能をもつ化学結合状態のイメージングが可能な光電子分光法(XPS顕微鏡)として、従来では困難と考えられていた高分解能化学結合マッピングを可能にしている。また、放射光の円偏光と直線偏光特性を利用して磁性イメージを高分解能で得ることが出来るようになっている。現在は本手法を用いて、ナノ材料のキャラクタリゼーションを中心に、産業応用への展開、絶縁物のような新規材料、あるいは隕石など地球惑星科学まで多彩な研究が展開されている。このように大きな技術的発展を遂げてきている「顕微ナノ材料科学」をさらに発展させ、世界に冠たる成果を出そうと思うと、互いのノウハウの交換等を行なうために国内研究者の交流は欠かせない。今回のシンポジウムでは、同様な興味を持つ研究者集団である日本表面科学会の放射光表面科学部会と共同で開催することで、さらなる情報交換が行えることが期待できる。将来のSPring-8利用者懇談会会員の増加にも寄与すると考えられる。

 

合同開催について:

日本表面科学会放射光表面科学部会、分子科学研究所分子スケールナノサイエンスセンター、SPring-8利用推進協議会産業利用研究会との合同開催

 

プログラム:

下記のような内容を含んで40名くらいの講演と20名くらいのポスター発表を予定。詳細は未定です。

 
 

日比野弘樹(NTT) 「LEEMによるグラフェン観察」
松井文彦(奈良先端大) 「グラフェン層分解電子状態」
木下豊彦 「時間分解PEEM」
小嗣真人(JASRI) 「隕石のPEEM観察」
大河内拓雄(JASRI) 「絶縁性試料のPEEM観察」
今田真(立命館) 「ネオジム磁石のMCD」
新井邦明(東京大学) 「NiO(100)における反強磁性磁区構造の解明」
松田博之(奈良先端大) 「広角対物レンズを用いた顕微光電子分光装置の開発」