大型放射光施設 SPring-8

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MADOCA制御システム

1. MADOCAとは

MADOCA(Message And Database Oriented Control Architecture)は、SPring-8の加速器とビームラインを制御するために、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)の制御・情報部門が開発した機器制御用ソフトウェアフレームワークである。メッセージによる機器制御の抽象化とデータベースによる機器状態の関係構造データの記録・抽出が特長である。その構成は、メッセージ指向ミドルウェアに基づくクライアント・サーバー型の分散制御アーキテクチャ(図1図2)になっている。1997年に初めてSPring-8蓄積リング制御に運用導入し、2014年にはメジャーバージョンアップしたMADOCA IIをリリースした。MADOCAには、マン・マシン・インターフェイス、メッセージ通信、データベース管理系、アラーム、入出力信号制御等の豊富なソフトウェア群があり、これらが一体として動作できるフレームワークである。特に、MADOCAのデータベースには、データ管理と利用の機能が多く搭載されており、強力に制御系を支援することができる。さらに、MADOCA IIは従来との互換性を保ちつつ、メッセージ通信の柔軟性の向上、Windowsプラットフォームのサポート、NoSQLデータベースによる高速ロギングなども実装された。

動作可能なオペレーションシステム(OS)はUNIX系やWindowsであり、具体的にはLinux、Solaris、HP-UX、Windowsで実績がある。計算機プラットフォームとしてはPC、ワークステーション、モバイルPDA、VMEbus、CompactPCI、MicroTCA、PXI、PLC、組込み計算機(Armadilloなど)に移植され、それぞれに適したOS上で動作している。適応性と拡張性を有するMADOCAのアーキテクチャによって、加速器の制御はもとより、ビームライン制御、簡易データ収集・表示など、各種の物理実験にも最適な実装が可能となっている。MADOCAは、SPring-8を始めその他の放射光施設にも導入され、加速器施設の運転を支えている。

(*)MADOCA(まどか、円)とは、円満、完全なさとり、完全で欠けることの無いことを意味している。

 
図1   図2

2. 開発の歴史と実績

1994 8GeV蓄積リング制御システムの概念設計(MADOCAのベース)を始める。
1997 制御系順調に稼働し、蓄積リングのコミッショニングが始まる。
1998 1.5GeVのNewSUBARU蓄積リングにMADOCAを新規導入する。
1999 SPring-8ブースター加速器の制御系をMADOCAに置き換える。
2000 SPring-8線型加速器の制御系をMADOCAに置き換える。
2002 広島大学 HiSORの制御系をMADOCAに置き換える。
2003 制御フレームワークを正式に「MADOCA」と命名した。
2005 理化学研究所250MeVのSCSS試験加速器にMADOCAを新規導入する。
2011 理化学研究所X線自由電子レーザー加速器SACLA にMADOCAを新規導入する。
2011 MADOCA II 開発に着手する。
2014 SPring-8 制御系にMADOCA II を一部導入する。
2015 SPring-8 データベースをMADOCA II へ移行する。

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