下水汚泥中の有害金属のバクテリア処理過程の化学状態分析
問い合わせ番号
SOL-0000001250
ビームライン
BL01B1(XAFS I)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料, 生物・医学 |
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B. 試料詳細 | 溶液, 環境関連物質 |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | XAFS, XANES |
E. 付加的測定条件 | 偏光(直線), 時分割(比較的遅い), 室温 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 化学状態, 元素分析(微量) |
産業利用キーワード
階層1 | 環境, その他 |
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階層2 | 触媒, 環境物質 |
階層3 | 焼却灰 |
階層4 | 価数, 化学状態 |
階層5 | XAFS, NEXAFS |
分類
A80.40 環境材料, M40.10 XAFS
利用事例本文
本事例では下水汚泥中の極微量Se(83 ppm)についてSe-K吸収端におけるin-situ蛍光XANES測定を行い、バクテリア処理によるSeの化学状態の時間変化を解析しました。蛍光XANES法は、水溶液中の極微量な目的元素の電子構造(価数、近接原子種)や化学種の存在比率を解析できる強力な手法です。参照試料のスペクトルを用いたXANESのパターンフィッティングにより、バクテリア処理で有害な6価Seが4価 Seを経由して0価Seに還元されることが明らかになりました。
図1 Se K吸収端XANESスペクトル。各破線は左から0価、4価、6価のSeのピークを示す
図2 各価数のSeの存在比率の時間変化
画像ファイルの出典
所内報
誌名
SPring-8 Research Frontiers 2003
ページ
97, 98
測定手法
希薄試料のXANESスペクトルは、目的元素の吸収端近傍で、試料からの蛍光X線量をX線エネルギーの関数として測定することで得られます(蛍光XANES法)。1-1000 ppm程度の希薄試料の場合、検出器として19素子Ge検出器を用います。本事例の場合、計測時間は、1測定あたり15-30分程度です。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
4 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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19素子Ge検出器 | 希薄・薄膜試料の蛍光XAFSの測定 | 濃度:1-1000 ppm、膜厚:0.1-100 nm |
XAFS測定装置 | XAFSスペクトルの計測 | 3.8-113 keV |
参考文献
文献名 |
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S. Fujiwara et al., SPring-8 Research Frontiers 2003, (2003) 97 |
関連する手法
アンケート
本ビームラインの主力装置を使っている
ユーザー持ち込み装置を使った
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
初心者でもOK
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト