高エネルギーXAFSによるレニウム担持触媒の局所構造解析
問い合わせ番号
SOL-0000001252
ビームライン
BL01B1(XAFS I)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
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B. 試料詳細 | 非晶質、ガラス |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | XAFS, EXAFS, XANES |
E. 付加的測定条件 | 偏光(直線), 低温(〜液体ヘリウム) |
F. エネルギー領域 | X線(>40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 化学状態, 結合状態, 局所構造, 機能構造相関, 機能発現 |
産業利用キーワード
階層1 | ディスプレイ, 環境, 化学製品, その他 |
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階層2 | 触媒, 環境物質 |
階層3 | |
階層4 | 局所構造, 化学状態 |
階層5 | XAFS, NEXAFS |
分類
A80.34 触媒化学, M40.10 XAFS
利用事例本文
本事例ではメタノール酸化メチラール生成に高い活性をもつRe(9.2 wt%)/Fe2O3触媒についてRe K吸収端におけるEXAFS測定を行い、局所構造解析を行いました。EXAFS法は、結晶及び非結晶の試料に対して、目的元素の周囲の局所構造(近接原子間の距離、配位数、原子種)を解析できる強力な手法です。本事例では試料中のFe含有量が高いため、FeによるX線吸収が大きいRe-L3吸収端でなく、高エネルギーのRe-K吸収端でXAFSを計測することにより、質の高いデータを得ました(図1)。解析結果から、ReはFeと二元系酸化物を形成することで、高活性のReO4構造を保っていることが分かりました(図2)。
図1 Re(9.2 wt%)/Fe2O3のRe K吸収端EXAFSスペクトル
図2 Re/Fe2O3上のRe活性サイトのモデル構造
画像ファイルの出典
所内報
誌名
SPring-8 Research Frontiers, 2000-2001
ページ
53,54
測定手法
濃度の比較的高い試料に対するXAFSスペクトルは、目的元素の吸収端付近で、試料によるX線吸収量をX線エネルギーの関数として測定することで得られます(透過XAFS法)。多くの場合、高エネルギー領域(50 keV程度以上)では、EXAFS振動が小さくなるため、低温(10 K程度)下で測定を行うことにより温度因子を小さくし、質の高いデータを得ます。QXAFSモードで計測すると本事例の計測時間は、1測定あたり30-45分程度です。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
2 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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XAFS測定装置 | XAFSスペクトルの計測 | 3.8-113 keV |
イオンチェンバー | 透過法XAFSの測定 | 濃度:1000 ppm以上 |
参考文献
文献名 |
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T. Shido et al., SPring-8 Reserch Frontiers, 2000-2001, (2001) 53 |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
初心者でもOK
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
1シフト以下