熱処理過程におけるゼオライト担持Au触媒のin-situ局所構造解析
問い合わせ番号
SOL-0000001254
ビームライン
BL01B1(XAFS I)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
---|---|
B. 試料詳細 | 非晶質、ガラス |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | XAFS, EXAFS, XANES |
E. 付加的測定条件 | 偏光(直線), 高温(〜500度), 時分割(比較的遅い) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 局所構造, 構造変化, 機能構造相関, 機能発現 |
産業利用キーワード
階層1 | 化学製品, その他 |
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階層2 | 触媒 |
階層3 | |
階層4 | 局所構造, 電子状態, 化学状態 |
階層5 | XAFS, NEXAFS |
分類
A80.34 触媒化学, M40.10 XAFS
利用事例本文
本事例ではCO酸化反応に活性をもつゼオライト担持Au触媒についてAu L3吸収端でin-situ EXAFS測定を行い、熱処理過程における局所構造変化の解析を行いました。In-situ EXAFS法は、反応過程にある試料に対して、目的元素の周囲の局所構造(近接原子間の距離、配位数、原子種)を解析できる強力な手法です。昇温中の構造変化を高速に追跡するために、測定にはクイックXAFS法(QXAFS法)を用いました。図1は、EXAFS振動 をフーリエ変換して得られた昇温過程におけるAu原子の動径構造関数です。図2は、図1の解析から求められたAuの最近接Auの配位数の温度依存性です。解析結果から、H-Y及びUSYゼオライト担持Auは、熱処理時に適当なサイズのAuクラスターが生成され、これが高活性を持つ理由であることが分かりました。
図1 昇温過程におけるAU/H-Yゼオライト内のAu原子の動径構造関数
図2 Auの周りの最近接Auの配位数の温度依存性
[ K. Okumura, K. Yoshino, K. Kato and M. Niwa, The Journal of Physical Chemistry B 109, 12380-12386 (2005), Fig. 6, 8,
©2005 American Chemical Society ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
J. Phys. Chem. B, 109 (2005) 12380
図番号
6, 8
測定手法
比較的濃度の高い試料に対するXAFSスペクトルは、目的元素の吸収端付近で、試料によるX線吸収量をX線エネルギーの関数として測定することで得られます(透過XAFS法)。現在、透過法XAFS測定のほとんどはQXAFS法により行われており、高い質のデータが短時間で得られています。本事例では計測時間は、1測定あたり1分です。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
4 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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XAFS測定装置 | XAFSスペクトルの計測 | 3.8-113 keV |
イオンチェンバー | 透過法XAFSの測定 | 濃度:1000 ppm以上 |
参考文献
文献名 |
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K. Okumura et al., J. Phys. Chem. B, 109 (2005) 12380 |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
最近2年以内に導入した装置を使った事例
ユーザー持ち込み装置を使った
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
1シフト以下