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パーソナルツール
 

ハイドロキシアパタイト固定化Pd触媒の局所構造解析

問い合わせ番号

SOL-0000001255

ビームライン

BL01B1(XAFS I)

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料
B. 試料詳細 非晶質、ガラス
C. 手法 吸収、及びその二次過程
D. 手法の詳細 XAFS, EXAFS, XANES
E. 付加的測定条件 偏光(直線), 室温
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 化学状態, 結合状態, 局所構造, 機能構造相関, 機能発現

産業利用キーワード

階層1 化学製品, 工業材料, その他
階層2 触媒, 日用品(シャンプー,化粧品,歯磨き粉など)
階層3
階層4 局所構造, 化学状態
階層5 XAFS

分類

A80.34 触媒化学, M40.10 XAFS

利用事例本文

本事例ではハイドロキシアパタイト(HAP)表面上に固定したPd触媒(PdHAP、濃度:0.16 wt%)についてPd K吸収端で蛍光EXAFS測定を行い、局所構造解析を行いました。蛍光EXAFS法は、極微量な目的元素の周囲の局所構造(近接原子間の距離、配位数、原子種)を解析できる強力な手法です。この触媒は、HAPの組成により、活性を持つ反応の種類(アルコール酸化反応、Heck反応等)を制御できるという特徴を持ちます。EXAFS解析から、図のようにPdはHAPの組成に依存して異なった局所構造を形成しており、それが反応の種類を左右することが分かりました。

 

図 PdHAP触媒の構造モデル。(A) アルコール酸化反応触媒、(B) Heck反応触媒。
[出典: Journal of the American Chemical Society 124, 11572-11573 (2002), Fig. 1(b), ©2002 The American Chemical Society.]

[ K. Mori, K. Yamaguchi, T. Hara, T. Mizugaki, K. Ebitani and K. Kaneda, Journal of the American Chemical Society 124, 11572-11573 (2002), Fig. 1(b),
©2002 American Chemical Society ]

 

画像ファイルの出典

原著論文/解説記事

誌名

K. Mori et al., J. American Chem. Soc., 124, (2002) 11572-11573

図番号

1(b)

測定手法

希薄試料のXAFSスペクトルは、目的元素の吸収端付近で、試料からの蛍光X線量をX線エネルギーの関数として測定することで得られます(蛍光XAFS法)。1-1000 ppm程度の希薄試料の場合、検出器として19素子Ge-SSDを用います。本事例の場合、計測時間は、1測定あたり1-1.5時間程度です。

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

4 時間

測定装置

装置名 目的 性能
XAFS測定装置 XAFSスペクトルの計測 .8-113 keV
19素子Ge検出器 希薄・薄膜試料の蛍光XAFSの測定 濃度:1-1000 ppm、膜厚:0.1-100 nm

参考文献

文献名
K. Mori et al., J. American Chem. Soc., 124, (2002) 11572

関連する手法

アンケート

本ビームラインの主力装置を使っている

測定の難易度

熟練が必要

データ解析の難易度

中程度

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

1シフト以下

最終変更日 2022-05-06 15:21