金属内包フラーレンLa2@C80の局所構造解析
問い合わせ番号
SOL-0000001256
ビームライン
BL01B1(XAFS I)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
---|---|
B. 試料詳細 | 金属・合金, 非晶質、ガラス |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | XAFS, EXAFS, XANES |
E. 付加的測定条件 | 偏光(直線), 室温 |
F. エネルギー領域 | X線(>40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 化学状態, 結合状態, 分子構造, 局所構造 |
産業利用キーワード
階層1 | ディスプレイ, 電池, 化学製品, 工業材料 |
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階層2 | 触媒 |
階層3 | TFT |
階層4 | 局所構造, 電子状態, 化学状態 |
階層5 | XAFS, NEXAFS |
分類
A80.30 無機材料, M40.10 XAFS
利用事例本文
本事例では金属内包フラーレンLa2@C80に対してLa-K吸収端におけるXAFS測定を行い、局所構造解析を行いました。EXAFS解析からは、目的元素の周囲の局所構造(近接原子間の距離、配位数、原子種)に関する情報が得られます。また、XANES解析からは、目的元素の電子構造(価数、近接原子種)に関する情報が得られます。解析の結果、+3価のLaがC80ケージ内で図のような2核体で存在することが分かりました。
図 La2@C80のモデル構造
[ Y. Kubozono, Y. Takabayashi, S. Kashino, M. Kondo, T. Wakahara, T. Akasaka, K. Kobayashi, S. Nagase, S. Emura and K. Yamamoto, Chemical Physics Letters 335, 163-169 (2001), Fig. 3,
©2001 Elsevier B. V. ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
Y. Kubozono et al., Chem. Phys. Let, 335, (2001) 163
図番号
3
測定手法
濃度の比較的高い試料に対するXAFSスペクトルは、目的元素の吸収端付近で、試料によるX線吸収量をX線エネルギーの関数として測定することで得られます(透過XAFS法)。周期律表のSnからEu付近までの元素では、L3吸収端よりもK吸収端で計測する方がメリット(高空間分解能データ、多電子励起の影響が小など)があります。QXAFSモードで計測すると計測時間は、1測定あたり10-15分程度です。
図 透過法XAFSの装置配置
画像ファイルの出典
私信等、その他
詳細
講習会プレゼン資料
測定準備に必要なおおよその時間
2 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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XAFS測定装置 | XAFSスペクトルの計測 | 3.8-113 keV |
イオンチェンバー | 透過法XAFSの測定 | 濃度:1000 ppm以上 |
参考文献
文献名 |
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Y. Kubozono et al., Chem. Phys. Let, 335, (2001) 163. |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
初心者でもOK
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
1シフト以下