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BL07LSU 概要

Inquiry number

INS-0000001514

ビームラインの概要

 東京大学放射光アウトステーション物質科学ビームライン

 東京大学では総長直轄の組織として放射光連携研究機構を開設し、既存施設の高輝度放射光を利用して先端的分光手法を用いた新しい物質科学研究の展開を目指しています。本機構物質科学部門ではJASRIと理研と協力してSPring-8の長直線部に水平及び垂直8の字アンジュレーター計8台から成る高輝度軟X線アンジュレータービームライン(BL07LSU)及び4つの実験ステーションを建設し(図1)、その共同利用を開始しています。利用申請は東京大学にて物性研究所共同利用ホームページにて半年ごとに受け付けています。

図1BL07LSUの全体図 図1BL07LSUの全体図

研究分野

  • 物性物理
  • 物理化学
  • 応用化学
  • 応用物理

キーワード

  • 軟X線、時間分解分光、コヒーレンス、ナノビーム光電子分光、超高分解能軟X線発光分光、3次元走査型光電子顕微鏡、雰囲気光電子分光

光源と光学系

 BL07LSUでは250~2000eVの軟X線領域で偏光切り替え(水平、垂直直線偏光および左右円偏光)、高いエネルギー分解能(E/ΔE>104)、高いフラックス(>1012 photons/sec/0.01%B.W.)、試料位置での小さなビームサイズ(<100nm~μm)が特徴です。

 挿入光源は8セグメントの水平及び垂直8の字アンジュレーター(2010年夏までは4セグメント)を7つの移送器で連結した長尺アンジュレーターです。ビームライン分光光学系としては入射スリットレス、連続偏角可変のMonk-Gillieson型不等刻線間隔平面回折格子分光器(VLS-PGM)を採用し、光学配置は図2のように3つの鏡(M0,M1,M2)、回折格子(Gr),出射スリット(Sext)から成り、そして各実験ステーション(Exp. stations)での後置集光系(後置鏡、ゾーンプレート)から構成されています。

図2BL07LSUビームライン分光光学系のレイアウト 図2BL07LSUビームライン分光光学系のレイアウト

実験ステーション

  • 時間分解軟X線分光実験ステーション(TR-SX spectroscopy)
    本ステーションではフェムト秒パルスレーザーステーション(BL07LASER)と2次元角度分解飛行時間型電子分析器を備えており、BL07LSUの高輝度軟X線パルスを組み合わせて、時間分解光電子分光実験を行います。物質の動的現象における電子状態、化学状態、振動状態、原子構造の変化をリアルタイムで追跡し、固体の光誘起相転移、半導体材料のキャリア変化、磁性体のスピンダイナミクス、光触媒における表面化学反応などの機構を解明します。
  • フリーポート実験ステーション(Free-Port station)
    本ステーションでは、全国の研究者が実験装置を持ち込んで放射光の利用実験が行われます。
  • 三次元走査型光電子顕微鏡ステーション(3D nano-ESCA)
    本ステーションは、ゾーンプレート集光を用いた微小スポット軟X線による走査型光電子顕微鏡と、光電子放出角度依存性から求められる深さ方向分布解析を組み合わせることにより、100 nm以下の空間分解能で物質の化学結合状態・電子状態の3次元空間分布を測定することが出来る装置です。
  • 超高分解能軟X線発光ステーション(HORNET)
    本ステーションは、気体・液体・固体を問わず、あらゆる物質の化学結合を担う電子の状態を、元素ごと、軌道ごとに調べられる発光分光装置を備え、世界最高のエネルギー分解能で測定ができます。試料は真空環境下でも、大気に置いたままでも測定ができます。溶液、液体の電子状態の観測、タンパク質・細胞内器官などの生体物質と水の相互作用の研究、燃料電池触媒の分析などに適用できます。

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