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パーソナルツール
 

遺伝子翻訳システムにおけるタンパク質・翻訳伸長因子Pの結晶構造解析

問い合わせ番号

SOL-0000001669

ビームライン

BL45XU(生体高分子結晶解析 II)

学術利用キーワード

A. 試料 生物・医学
B. 試料詳細 結晶, 生体高分子、結晶, 蛋白質
C. 手法 X線回折
D. 手法の詳細 単結晶構造解析
E. 付加的測定条件 低温(〜液体窒素)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 分子構造, 構造解析, 結晶構造, 機能構造相関, 機能発現

産業利用キーワード

階層1 製薬
階層2 ドラッグデザイン, 製剤
階層3 タンパク質
階層4 結晶構造, 高次構造, 絶対構造決定
階層5 回折

分類

A80.50 製薬, M10.10 単結晶回折

利用事例本文

生命の生存に必須であり、遺伝暗号の翻訳過程において重要な因子であるとされながらも、機能や構造の多くの点で謎につつまれたタンパク質である「翻訳伸長因子P(EF-P: Elongation Factor P)」の立体構造が決定されました。遺伝情報は、DNAに遺伝暗号という形で蓄積されています。遺伝暗号通りの決められたアミノ酸が決められた順序で結合し、決まった構造を持つことによ り、生命の体を作り生命活動を行うタンパク質が生まれます。この過程は翻訳と呼ばれています。翻訳は、リボソームと呼ばれる巨大な分子装置上で行われ ますが、リボソームの働きを助けたり、タンパク質合成に必要な材料やエネルギー源を供給するために、数多くの翻訳因子と呼ばれるタンパク質やRNAが関与 しています。1.65Åという高分解能で解析された結晶構造から、EF-Pはそのかたちや大きさの点で、トランスファーRNA(tRNA)と呼ばれる核酸(RNA)分子に酷似していることが明らかになりました。
翻訳に関わるタンパク質の解明は非常に重要であると考えられています。これまでに多くの抗生物質が翻訳機構をターゲットに作られているなど、翻訳機構の分子メカニズムの解明は、学術的な貢献の他、今後の新たな 創薬開発にも寄与すると考えられます。

EF-P.PNG

図.EF-PとtRNAの立体構造の比較:(AとB)EF-P, (C)tRNAphe.分子表面の赤色は負電荷、青色は正電荷を示している

[ K. Hanawa-Suetsugu, S. Sekine, C. Hori-Takemoto, T. Terada, S. Unzai, J. R. H. Tame, S. Kuramitsu, M. Shirouzu and S. Yokoyama, Proceedings of National Academy of Science of the USA 101, 9595-9600 (2004), Fig. 3,
©2004 National Academy of Science ]

 

画像ファイルの出典

原著論文/解説記事

誌名

PNAS, 101(26), 2004, 9595-9600

図番号

3

測定手法

X線結晶構造解析
多重同形置換法

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

24 時間

測定装置

参考文献

文献名
K.Hanawa-Suetsugu, S.Sekine, H.Sakai, C.Hori-Takemoto, T.Terada, S.Unzai, J.R.H.Tame, S.Kuramitsu, M.Shirouzu, S.Yokoyama, PNAS, 101(26), (2004), 9595-9600.

関連する手法

アンケート

本ビームラインの主力装置を使っている
最近2年以内に導入した装置を使った事例

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

熟練が必要

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

2~3シフト

最終変更日 2022-05-06 15:35