大型放射光施設 SPring-8

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パーソナルツール
 

BL46XU 多軸X線回折計

問い合わせ番号

INS-0000001477

多軸X線回折計

 BL46XUの多軸回折計(HUBER社製)は産業界ユーザーのX線回折、散乱を用いた分析に対する多様なニーズに対応 することを目的として整備されています。そのターゲットは、薄膜、表 面、界面の構造解析をはじめ、残留歪み解析やin-situ X線回折など、多岐に広がっております。
 基本的な構成は4軸回折計(χ, φ, ω, 2θ)で、さらに4軸(2θz, θz, ωa, 2θa)が付加して計8軸の構成になっています。χクレードルはC型のものを採用し測定時の死角を排除し-20°から160°の広 い散乱角の範囲を確保す ることができます。サンプルステージに自動XYZステージまたは自動スイベルステージを持ち、精度のよい試料位置調整を行うことができるだけでなく、X線 照射位置のマッピング測定が可能です。また、直径約200mm、厚み約50μmのカプトンドームを用いたHeガス置換型サンプルチャンバーを用意してお り、試料周りの空気散乱によるバックグラウンドノイズ低減に効果的です。
 光学系には、入射側に1つ、受光側(検出器アーム上)に2つの自動4象限スリットを備えており、遠隔操作で入射ビームサイズ及び受光側のコリメーション を調整することが可能です。アナライザー用のステージ(ωa軸, 2θa軸)に設置するアナライザー結晶は、Si(111)、Ge(111)、LiF(002)を用意しています。またこのステージ 上には、ソーラースリットを取り付けることができ、薄膜、表面に対 する微小角入射X線散乱測定時の試料表面で広がった照射域からの散乱信号の検出効率を向上することが可能です。またX線反射率測定用のアッテネータ自動切 換機構も装備しており、~1010程度のダイナミックレンジのX線反射率スペクトル測定が可能です。
 標準の検出器として はNaIシンチレーションカウンターを採用していますが、そのほかにも2次元ピクセル検出器(PILATUS)やイメージングプレート(IP)などを併用 することで時分割X線回折測定など、多様な実験を行うことも可能です。
 制御プログラムはCerified Scientific Software社製のSPECを採用しています。コマンドライン型のプログラムで、マクロ作成機能を使用することにより複数の測定を組み合わせて自動測 定を行うことが可能です。またこの機能を活用した自動試料位置調整機能による迅速な試料交換も可能です。

 

BL46XU_huber1.jpg
多軸X線回折計

 

最終変更日 2022-05-06 15:33