大型放射光施設 SPring-8

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よくあるご質問

1. 全般的な事項

(問1-1)どのような経緯で供用方針の変更をすることとなったのか。

(答)  今回の供用方針変更では、国と施設者による検討の結果により消耗品の実費負担、成果公開・優先利用枠の創設および成果専有利用料金の改定が行われます。
 消耗品の実費負担については、財務省のSPring-8運営経費に対する予算執行調査(平成16年4月)において、「成果非公開ユーザーだけから徴収している利用料を利用拡大に留意しつつ成果公開ユーザーを含めた利用者全員に求める方向で検討すべき」と、利用者負担の観点から供用方針の見直しを求められたことから、放射光利用研究促進機構諮問委員会において特別委員会を作って検討を行いました。特別委員会における検討結果は諮問委員会を通じて意見具申として出され、今回この意見具申を尊重し、消耗品については実費の負担を利用者に求めることとなりました。
 また、成果公開・優先利用枠についても、上記の諮問委員会からの意見具申において、大型の競争的資金を獲得した課題に対しては、使用料を設定し、簡単な審査で利用出来る枠が必要であるとの指摘をうけ、利用者本位の利用の観点から創設することになりました。
 成果専有利用料金については、上述の財務省予算執行調査において、「利用料金は最大設置可能な61本を想定し算定されているが、施設の現状にあわせて見直しを図るべき」との指摘を受けたことから、現行利用料金の算定に用いているビームライン本数を最大設置可能な61本から平成18年度までに稼動する48本へと変更する等の見直しを図り、成果専有利用料金の改定を実施することとなりました。
 
(問1-2)これらの制度はいつから導入されるのか。

(答)  これらの制度は全て、平成18年(2006年)の5月頃に募集し、9月下旬から利用を開始する予定の2006B期より導入される予定です。

(問1-3)支払い方法等の具体的な手続はどうなるのか。

(答)  支払い方法等の具体的な手続きについては、2006Bの課題募集時までに、別途SPring-8のホームページ等でお知らせする予定です。

2. 消耗品の実費負担について

(問2-1)従来無料であった利用実験に伴う実験ハッチ内での消耗品について、実費を負担するようになった理由は何か。

(答)  平成16年4月に実施されたSPring-8運営経費に対する財務省の予算執行調査において、「成果非公開ユーザーだけから徴収している利用料を利用拡大に留意しつつ成果公開ユーザーを含めた利用者全員に求める方向で検討すべき」と、利用者負担の観点から供用方針の見直しを求められたことから、SPring-8の利用の在り方についてまとめた航空・電子等技術審議会第20号答申(平成8年3月)との関係等について、放射光利用研究促進機構諮問委員会からの意見具申を尊重しつつ、国と施設者による検討が行なわれました。この結果、施設利用に関わる実験ハッチ内での消耗品についてのみ実費負担をいただくこととなりました。

(問2-2)どのような消耗品が利用者負担の対象となるのか。

(答)  SPring-8放射光の利用実験において、ビームラインを利用することで発生する消耗品が対象となります(加速器や施設の運転に関わる消耗品は対象外です)。ご負担はその実費相当として、使用したシフト数に応じて一律に算定される定額分と使用した消耗品の量に応じて個別に算定される従量分の合計をご負担していただくことになります。
 なお、専用ビームラインの設置者による利用については、従量分をJASRIが提供した場合のみその使用量に応じてご負担していただくことになります。

(問2-3)定額分にはどのようなものが含まれているのか。ビームラインの種類や実験方法により金額が変わってこないのか。

(答)  定額分には、液体窒素、治具類、ガスケット類、サンプルホルダー及び計測備品(電流増幅器)など、実験ハッチにおける利用者の実験及び準備に必要な損耗品等が含まれます。このような損耗品のコストは、実験手法ごと、もしくはビームラインごとにそれぞれいくらかかっているかの試算が困難なため、ビームラインの種類や実験方法別に単価設定をすることはせず、シフトあたりの平均の単価として設定させていただくことになります。

(問2-4)従量分にはどのようなものが含まれているのか。それぞれの価格はどのように決められているのか。

(答)  従量分には、寒剤・ガス類、及びストックルームで提供する試薬・パーツ類が含まれています。このうち寒剤・ガス類(液体ヘリウム、酸素、アルゴン、キセノン、窒素ガス等)については、実際の使用量(重量または容積)を計量し、その使用量に応じて、料金を計算します。また、ストックルームで提供する試薬・パーツ類・文具記録用品については、その出庫数に応じて物品管理システムにより料金を計算します。それぞれの単価額については、決定次第、お知らせする予定です。

(問2-5)全ての利用者が負担するのか。

(答)  専用ビームラインから提供される共用ビームタイムを含めてSPring-8の共用ビームタイムを利用する場合は、成果の公開・非公開にかかわらず、消耗品の実費負担をいただくことになります。なお、専用ビームライン設置者が自らの専用ビームラインを利用する場合には、消耗品は自己調達が原則ですので上記の対象とはなりませんが、ストックルーム等の消耗品を使用した場合は、実費のご負担が必要となります。

(問2-6)出庫して使用しなかった消耗品は返品することもできるのか。

(答)  寒剤・ガス類並びに切片で提供するケーブル・配管類・基板等を除き、原則として、未使用・未開封であれば、ストックルームにて物品管理システムへの記録を行ったうえで返品できます。この場合、返品分は料金には加算されません。

(問2-7)対象となっている消耗品を持ち込んで利用することは可能か。

(答)  対象となっている消耗品を含め課題申請時に記載した物品は原則、持ち込むことは可能ですが、既設装置との取り合いの違いなど、安全上・管理上の理由から、持込使用を禁じる場合もあります。ただし、定額分に含まれる消耗品を持ち込み使用されても、定額分が減額となることはありません。

(問2-8)利用明細は発行されるのか。

(答)  利用者ごとに利用明細を発行する予定です。

(問2-9)タンパク3000プロジェクト・ナノテク支援・戦略活用プログラムによる利用の場合も個々に負担するのか。

(答)  タンパク3000プロジェクト・ナノテク支援・戦略活用プログラムの利用者については、国からの委託費の中に当該経費が含まれており、各プロジェクトから支払われることになるため、各利用者が個々にご負担いただく必要はありません。

3. 成果公開・優先利用枠の利用制度の創設

(問3-1)成果公開・優先利用枠は、どのような目的で創設したのか。

(答)  科学研究費補助金のような大型研究費を獲得できた研究課題については、研究資金を獲得する際の審査に加え、SPring-8の利用審査を受けるため、言わば二重に課題審査を受けている状況となっています。このため、SPring-8で実施することが不可欠な研究であって、大型研究費の獲得等により一定の評価を得た課題を対象に、成果公開・優先利用枠(使用料を支払い、簡素化した審査で利用できる枠)を創設することとなりました。なお、成果公開・優先利用枠においては、多くのビームタイムを使用するために、これまでの一般の応募枠では実施しづらかった課題が優先して採用されることになります。

(問3-2)応募の際に特別な資格や条件があるのか。

(答)  原則として科学研究費補助金等の公的競争的資金制度で研究資金を獲得した課題で、かつSPring-8で実施することが不可欠な研究が対象となります。対象となります公的競争的資金制度については、別途SPring-8のホームページ等でお知らせする予定です。

(問3-3)利用時期やビームラインについて希望をいうことは可能なのか。

(答)  利用時期およびビームラインについては、利用者からの希望をいただき、可能な限り施設側で調整させていただくことになります。

(問3-4)成果公開・優先利用枠の利用料金は、どのように決められているのか。

(答)  SPring-8全体の運営に必要な経費のうち、共用ビームライン部分の維持管理・運転にかかわる要員の人件費及び保守等の経費をビームライン数・時間で割り、シフトあたりの費用として算出されています。

(問3-5)この制度で利用した場合にも報告書等を提出しなくてはいけないのか。

(答)  成果公開・優先利用枠による利用は、成果公開課題となりますので、一般課題同様の利用報告書や特許出願報告等の報告書の提出が必要になります。

(問3-6)この制度で応募し、同じ課題で一般利用課題枠にも応募することは可能か。

(答)  成果公開・優先利用枠に応募した課題は、基本的に条件を満たしていれば優先的に利用課題として採択されます。したがって、成果公開・優先利用枠で採択された同一課題については、一般課題利用枠では課題選定から除外されることになります。

(問3-7)成果専有利用で採択された後シフト数の変更(減少)をしたい場合はどうすればよいか。

(答)  利用予定サイクル開始の1ヶ月前までに、財団に書面(メールを含む)にて通知し、了解を得てください。

4. 成果専有利用料金の改定について

(問4-1)成果専有利用料金を、なぜ今回改定するのか。

(答)  現行の成果専有利用料金は、SPring-8の施設整備計画と運営費予算額に基づいて単価を計算しています。これに対して、平成16年に実施された財務省予算執行調査において、「利用料金は最大設置可能な61本を想定し算定されているが、施設の現状にあわせて見直しを図るべき」との指摘を受けたことから、ビームライン本数を最大設置可能な61本(計画本数)から平成18年度までに稼動する48本へと変更する等の見直しが図られ、成果専有利用料金の改定が実施されることになりました。

(問4-2)成果専有利用料金はどのように決められているのか。

(答)  SPring-8全体の運営に掛かった経費をビームライン数・時間数で割り算してシフト当たりの単価として設定されています。

以上

最終変更日