BL04B2 小角散乱回折計
問い合わせ番号
INS-0000000420
超臨界流体のX線小角散乱実験
超臨界流体の小角散乱実験はSi 111から得られる37.8keVのX線を用いて行われる。散乱されたX線は試料位置から3m離れた位置で300 mm × 300 mmのイメージングプレートを用いて測定される。サンプルとイメージングプレートの間には、寄生散乱を抑えるために、真空パスが設置されている。5mm角のPbのビームストップの位置を最適化することにより、散乱ベクトルk (k = 4πsinθ/λ ; λ :X線の波長) は 0.02 Å-1から0.9 Å-1の範囲をカバーする。
- Table 1. 高圧容器のスペック
温度 〜 1700°C 圧力 〜200 MPa (厳密には196 MPa) k 0.02 ∼ 0.9 Å-1 (高圧容器未使用時)
0.06 ∼ 0.4 Å-1 (高圧容器使用時)Fig.1. 回折計の模式図
Fig.2. 小角散乱実験用回折計
実験ハッチ内に設置された高圧容器は1700°C、200 Paの高温・高圧環境を実現した。 3mm径の合成ダイヤモンドがX線の入射窓に使われ、散乱ベクトルkを大きくとれるように6mm径の合成ダイヤモンドが出射窓に使われている。SeやHgと言った液体に対する耐食性、X線に対する透過性の良さという観点からサファイアセルが試料容器として用いられている。

Fig. 3. 高圧容器の側面図

- Fig. 4. 25℃の空のサファイア容器および1500℃、1820barのHg(臨界密度付近、吸収補正済み)の小角散乱スペクトル
参考文献
- K. Tamura and A. Inui, J. Phys. :Condensed Matter, 13 (2001) R337.
最終変更日
2006-02-09 16:08