過冷却液体の構造研究;試料浮揚技術の導入
問い合わせ番号
SOL-0000001290
ビームライン
BL04B2(高エネルギーX線回折)
学術利用キーワード
| A. 試料 | 無機材料 |
|---|---|
| B. 試料詳細 | 液体・融体 |
| C. 手法 | X線回折 |
| D. 手法の詳細 | 広角散乱 |
| E. 付加的測定条件 | 高温(>>500度) |
| F. エネルギー領域 | X線(>40 keV) |
| G. 目的・欲しい情報 | 構造解析 |
産業利用キーワード
| 階層1 | 機械, 金属, 工業材料, その他 |
|---|---|
| 階層2 | 構造材(鉄、非鉄) |
| 階層3 | |
| 階層4 | 液体・非晶質構造 |
| 階層5 | 回折 |
分類
M20.20 中角散乱
利用事例本文
高エネルギーX線回折法は、不活性ガスを用いて浮遊させた高温液体の回折パターンの取得に適した強力な手法です。この手法を用いることで、無容器浮遊させた微小な液体試料の構造を正確に調べることができます。この方法では、SPring-8の強力なX線により液体試料の微弱な信号を構造解析に十分な精度で取得することができます。
図に示すのは、試料を不活性ガスで浮上させる装置(a)、および浮遊したZr70Cu30合金液体(1453K)(b)とその回折データ(c)で、凝固の因子が少ない状態における液体の構造を調べられることから、今後過冷却液体の構造研究を促進することが期待されます。
図 試料を無容器で浮遊させる炉(a)および浮遊した Zr70Cu30液体 (1453K) (b)とその回折データ(c).
[ S. Nakano, S. Yamaura, A. Kitano, M. Sato, N. Umesaki, S. Uchinashi, H. Kimura and A. Inoue, Materials Transactions 46, 379-381 (2005), Fig. 3,
©2005 日本金属学会 ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
Mater. Trans. 46 (2005)
図番号
3
測定手法
高エネルギーX線回折法は非晶質物質のブロードな回折パターンを調べることのできる強力な手法です。得られたデータを解析することにより、非晶質物質中の原子間距離、原子の配位数を求めることができます。またEXAFSと異なり遠距離の相関まで測定できることから、非晶質物質に存在する長い距離の秩序を調べることができます。近年では、中性子回折、実験データに基づいたコンピュータシミュレーションを併用することに、あいまいな非晶質物質の構造が明らかになりつつあります。
測定は、非晶質物質用二軸回折計を用い透過法で行いました。試料により回折されたX線はエネルギー分解能の良いGe半導体検出器を用いてステップスキャン法で行いました。図に示した回折計の試料ステージに試料浮遊装置をインストールし、実験を行いました。
図 非晶質物質用二軸回折計
(a) イオンチャンバー、(b) 入射スリット、(c) 試料ステージ、(d) 真空チャンバー
(e) ビームストップ、(f) 受光スリット、(g) 2θ軸、(h) Ge半導体検出器
[ S. Kohara, Y. Ohishi, M. Takata, Y. Yoneda and K. Suzuya, 日本結晶学会誌 47, 123-129 (2005), Fig. 1,
©2005 日本結晶学会 ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
日本結晶学会誌,47,123-129(2005)
図番号
測定準備に必要なおおよその時間
24 時間
測定装置
| 装置名 | 目的 | 性能 |
|---|---|---|
| 二軸回折計 | 回折データの取得 | 113.4keV |
参考文献
| 文献名 |
|---|
| X線構造解析—原子の配列を決める 材料学シリーズ 早稲田 嘉夫, 松原 英一郎 |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
最近2年以内に導入した装置を使った事例
ユーザー持ち込み装置を使った
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト


