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BL38B1 ハイスループット定盤

問い合わせ番号

INS-0000000573

蛋白質結晶構造解析

  BL38B1には、タンパク結晶用の高速データ収集システムがインストールされている。システムには、2種類の検出器が備え付けられており、一方は ADSC社製CCD検出器 Quantum315rであり、他方は、Hamamatsu製CMOS検出器C10158DKである。これらの検出器は、利用者が測定目的に応じて容易に切り替えて試用することが出来る。(図1)
 結晶のセンタリングは、x,y,zのモータ駆動ステージと、結晶をX線と同軸方向から観察できる同軸カメラの組み合わせで非常に簡便に行うことが出来る。(図2)
 XAFSのスペクトル測定や、その後の複数波長でのMAD Data測定を含む全ての測定がビームラインの制御ソフトウェアである BSS (Beamline Scheduling Software)から行うことが出来る。BSSのおかげで、波長変更などの光学系の調整はおろか、検出器の切り替えやカメラ距離の変更をデータ収集前の作業として自動的に行うことができる。その結果、ビームライン利用者は、結晶をゴニオメーターに取り付けた後は、BSS上の操作で、結晶のセンタリングからデータ測定までを行うことが出来る。

Fig. 1. 蛋白質結晶構造解析用回折計Fig. 1. 蛋白質結晶構造解析用回折計
(a : ADSC/ Quantum315r, b : Hamamatsu/ C10158DK)

 CMOSを使用するときには、CCDのステージが後方へ退避し、CMOSステージが実験定盤上へ上昇することが出来るようになる。

Fig.2. ゴニオメーター付近の拡大図Fig.2. ゴニオメーター付近の拡大図
結晶のセンタリング用に2つの顕微鏡が存在する.
(a) 低倍率顕微鏡
(b) X線と同軸上から試料を観察することが出来る高倍率同軸顕微鏡
  • 試料位置でのX線

    エネルギー範囲 6 ∼ 17.5 keV
    エネルギー分解能 ΔE/E = 10-4
    ビームサイズ 水平 90 µm, 垂直 180 µm (@ 12.4 keV (λ = 1.0 Å)) @検出器位置

  • 実験機器
    • CCD検出器 ( ADSC/ Quantum315r)
      • 有効面積 : 315 × 315 mm2
      • ピクセルサイズ : 51 × 51 µm2
      • 総ピクセル数 : 6144 × 6144
      • カメラ長 : 75 ∼ 950 mm
    • IP検出器 (Hamamatsu/ C10158DK)
      • 有効面積 : 117.6 × 117.6 mm2
      • ピクセルサイズ : 50 × 50 µm2
      • 総ピクセル数 : 2352 ×2352
      • カメラ長 : 75 ∼ 330 mm
    • モーター駆動機構つきXYZステージ内臓水平軸ゴニオメーター
    • 吹き付け低温装置 : 温度調整範囲80 ∼ 350 K
    • ガスフローイオンチャンバー
    • XAFSスペクトル測定用 Li ドープ Si PIN photodiode detector
    • マルチチャンネルアナライザー
最終変更日 2022-05-09 16:00
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