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BL39XU 測定データの例

問い合わせ番号

INS-0000000533

測定データの例

  図1に示すのは、BL39XUで測定されたXMCDデータの例です。Mn3ZnC 粉末試料のXMCDスペクトルです。Mn の K吸収端 (6540 eV) で測定されました。この測定は透過法で行われ、偏光変調法が用いられています。XMCD信号の大きさはXANESスペクトルのエッジジャンプのわずか 0.1% と微弱ですが、 データの統計精度はおよそ0.01%であり、解析に十分なスペクトルが得られました。測定時間は1時間でした。このように短時間で精度の高いスペクトルを測定することが可能です。
  図2に示すのは、[Gd(20 Å)/Fe(20 Å)]50多層膜試料中の Gd および Fe の元素別磁化曲線です。元素別磁化曲線は、目的の元素の吸収端でのXMCD信号を外部磁場の関数として測定することにより得られます。この結果から、GdとFe原子の磁気モーメントが反強磁性的に結合していることが一目で分かります。また、GdとFeの元素別磁化曲線は、試料全体のマクロな磁化(実線) とは全く異なる形状をしていることが明らかになりました。

図1. Mn3ZnC のMn K 吸収端 (E0 = 6540 eV) でのXMCDスペクトル。
比較のためXANES スペクトルも示します。[1,2]

 

図2. [Gd(20 Å)/Fe(20 Å)]50 多層膜試料の元素別磁化曲線。
(a) Gd の元素別磁化曲線 (点線)と、試料全体の磁化曲線 (実線)。
(b) Fe の元素別磁化曲線 (点線)。[3,4]

References

  1. S. Uemoto, et al., J. Synchrotron Rad. 8 (2001) 449.
  2. N. Kawamura, et al., J. Phys. Soc. Jpn. 76 (2007) 074716.
  3. A. Koizumi, et al., Phys. Rev. B61 (2000) R14909.
  4. M. Takagaki, et al., J. Phys. Soc. Jpn. 72 (2003) 245.
最終変更日 2013-03-22 18:03
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