SPring-8, the large synchrotron radiation facility

Speaker : Hiroyuki Yamase

Language : Japanese

Affiliation : 物質・材料研究機構

Title : 電子ドープ型銅酸化物高温超伝導体における電荷秩序と電荷励起スペクトラムの理論研究

Abstract:
La系銅酸化物高温超伝導体では、電荷とスピンが一次元的にオーダーしたストライプ秩序が知られている。
ところが最近、スピンの秩序化を伴わない電荷秩序が、Y系、Bi系、Hg系、電子ドープ系等の様々な銅酸化物超伝導体で観測されホットな話題となっている。本講演では、特に電子ドープ系銅酸化物に焦点を当て、以下の３点を議論する。
（１）「電荷秩序」と一口に言っても様々な電荷秩序が可能である。一体、どんな電荷秩序が実験的に観測された可能性があるのか。銅酸化物超伝導体の低エネルギー有効模型である２次元t-J模型に含まれる、可能なすべての電荷秩序を調べ尽くした結果を報告し実験への示唆を与える[1,2]。
（２）電子ドープ系超伝導体では、短距離な電荷秩序が共鳴X線散乱で報告されている。その短距離な電荷秩序の性質とその秩序化の可能性に関して理論的見解を述べる[3]。
（３）エネルギー分解した電荷励起スペクトラムが共鳴非弾性X線散乱で報告されている。そのスペクトラムと共鳴X線散乱で観測された短距離電荷秩序との関係を理論的に考察する[3]。

[1]M. Bejas, A. Greco, and H. Yamase, Phys. Rev. B 86, 224509 (2012)
[2]M. Bejas, A. Greco, and H. Yamase, New J. Phys. 16, 123002 (2014)
[3]H. Yamase, M. Bejas, and A. Greco, arXiv: 1506.06853 (to appear in Europhys. Lett.).

Organizer : Yoshiharu Sakurai
Mail : sakurai@spring8.or.jp
PHS : 3803