SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)研究会

研究会の名称

顕微ナノ材料科学

ホームページ

研究会連絡先(問い合わせ窓口)
氏名: 大門 寛
住所: 〒630-0192 生駒市高山町8916-5
電話 / FAX: 0743-72-6020/0743-72-6029
e-mail: daimon (at) ms.naist.jp

研究会の概要、活動目標・目的

 放射光を使った顕微イメージング技術の発展は目覚しく、大きな発展を遂げている。それは高輝度・偏光・高速パルス光という放射光の特性と表面電子顕微鏡の技術の最近の発展に起因している。SPring-8ではスペクトロスコピック機能をもつ光電子顕微鏡SPELEEM、および時間分解測定が可能なPEEMSPECTORが設置されて稼動しており、多数の利用者の要求に応えて着々と成果を出している。SPELEEMでは数10nmより良い分解能をもつ化学結合状態のイメージングが可能であり、光電子分光法(XPS顕微鏡)として従来では困難と考えられていた高分解能化学結合マッピングや、磁気円二色性と組み合わせた高分解能磁気イメージングが可能になっている。またPEEMSPECTORでは放射光パルスとレーザーを同期させた時間分解測定を行うことが可能となっており、たとえば微小磁性体の超高速ダイナミクスの動的観察に利用されている。

 現在は本手法を用いて、ナノ材料のキャラクタリゼーションを中心に、産業応用への展開、絶縁物のような新規材料、あるいは隕石など地球惑星科学まで多彩な研究が展開されている。本研究会の大きな目的は、このように大きな技術的発展を遂げてきている「顕微ナノ材料科学」をさらに発展させ、世界に冠たる成果を出すために、互いのノウハウの交換等を行なうための国内研究者の交流を行うことである。

 また、単純な顕微解析にとどまらず、原子配列を光電子で立体的に見ることのできる独自の光電子顕微鏡や、大型放射光施設において赤外線から硬X線に至る幅広い波長範囲の顕微分光技術の開発などの新しい装置・技術の開発も目的としている。また、超高速時間分解応答の観察などSACLAの利用も視野に入れた活動を行う。

 研究会を毎年開催するとともに、利用者の要求をまとめて施設へ要望することにより、種々の問題に対応し、新しい研究の芽を発展させていく。


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