SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)研究会

研究会の名称

小角散乱研究会

研究会連絡先(問い合わせ窓口)
氏名: 竹中 幹人
住所: 〒615-8510 京都市西京区京都大学桂
電話 / FAX: 075-383-2622/075-383-2623
e-mail: takenaka( at )alloy.polym.kyoto-u.ac.jp

研究会の概要、活動目標・目的

 小角散乱研究会は、Spring-8における、小角X線散乱による構造解析法に関する情報交換の場として、タンパク質溶液散乱をはじめとする生物ソフトマターの構造解析法の発展に寄与してきた。小角散乱法における構造解析は、慣性半径や相関長・構造モデル関数Fittingによる構造パラメータの導出などが行われてきた。加えて、コンピュータシミュレーション技術の向上とともに、MCアルゴリズムを用いたab initio3次元構造解析法やMDとカップルさせた静的・動的構造解析法がSAXSおいても発展中である。これらの手法のより一層の発展とそれらを用いることで生物・ソフトマターの一層の理解を目指したい。
 更に今後の新たに取り組むべき課題としては、生物・ソフトマターの動的な構造解析法の展開である。このための有効な手段として大きな発展が見られるのは、X線光子相関法であると考えられる。X線光子相関法ではコヒーレントなX線を用いて試料内の構造の時間的な揺らぎに対応した散乱光の時間相関を測定する事によって系の動的なメカニズムを明らかにすることができる。X線光子相関法においてはタンパク質分子の機能発現時における分子のダイナミックスの解明、ミセルのダイナミックスの解明が可能になると考えられる。X線自由電子レーザーのコヒーレンスの高い光を用いることによりタンパク質1つのダイナミックスばかりでなく、ソフトマターの有する階層構造そのものの協同的なダイナミックスも捉えることができると考えられる。これらの動的な性質な解明をする事により自己組織化に伴う機能発現も視野に入れた枠組みでの生命現象の解明を目指してゆきたいと考えている。


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