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SPring-8ユーザー協同体の研究会組織改革についての
パブリックコメントの結果とSPring-8ユーザー協同体の考え方

SPring -8ユーザー協同体の研究会組織の改革について、これまで研究会組織検討作業部会等で議論してきました。公開した中間報告書に対して、会員等に広くパブリックコメントの募集を2013年8月15日から8月25日までの期間におこなった結果、5件の意見が寄せられました。これらの意見を作業部会・評議員会・利用委員会で検討し、SPRUCの考え方として以下のとおり纏めました。
なお、お寄せいただいたご意見等につきましては、適宜要約させていただいております。また、ご意見のなかで、個別に対応すべきご意見に関しては、SPRUC会員からの意見として関係部署にお伝えしておきます。 今回、ご意見等をお寄せいただいた方々のご協力に厚く御礼申し上げます。

SPring-8ユーザー協同体
会長 雨宮 慶幸


意見の主旨 SPring-8ユーザー協同体の考え方
中間報告書にある具体的な方策(1)において研究会を分野別(4分野提案)に展開されるとのことですが、分野別分類だけでは、研究会を現状の分類から分類し直すだけのことになるおそれがあります。SPring-8における活動全体を捉えるには、ソフト(サイエンス) とハード(測定技術)の両面から捉える必要があります。評議員会や拡大利用委員会で提案されていたように、「分野を縦軸」に「ビームラインを横軸」にとり、「その交点に研究会」を位置づけることにより、各ビームラインにおいて展開されている研究が、SPring-8全体から見た研究分野のどの分野に属するのか明確になり、また、外部からも理解し易くなり、改組の効果が出るものと期待されます。

具体的な方策(2)において問題解決型の分野横断的な研究会を提案されることは、研究会の方向付けのため必要不可欠なことと考えますが、会員の研究会への大幅な参加率向上に繋がるものとは考え難いです。現在の研究会は、利用者懇談会の延長線上の何者でもなく、SPRUCを前提にした研究会の構成になっていないと考えられます。従って、会員の集約率を高めるためには、上部組織によるより活発な研究会準備が不可欠と考えます。研究会の組織率が低いのは、会員の研究会に所属するメリットが少ないのではないでしょうか。また、研究会に所属する必要性も認識されていないのではないでしょうか。SPRUCとは、SPring-8利用者個人をベースとし、また組織としては代表機関会議や作業部会、利用委員会などがありますが、会員が直接関与するのは研究会であり、会員は研究会に所属することにより、初めてSPRUC会員としての資格を得るものと考えます。

具体的な方策(3)においてSPring-8全体をカバー出来るように、会員の参加し易い研究会の新設を作業部会や利用委員会で誘導されるとのことですが、その場合、ビームラインと共同展開することによって、具体的、効率的な展開が可能になるものと考えます。
的確なご意見感謝いたします。ご指摘のように、2013年8月に公開した中間報告書で提案した研究会組織の説明では、SPring-8における研究活動を支えている測定技術(ビームライン)の寄与の位 置づけについての 記述が不十分でした。頂いた意見にあった「分野を縦軸」に「ビームラインを横軸」にとり、「その交点に研究会」という表現は、本作業部会の提言の方向性と一致するものであり、この概念は最終提案に盛り込みます。

今 後もSPRUC研究会に会員が所属するメリットをアピールできるよう努力をつづけていきます。ユーザーと直接接しているBL担当者の方からも意見をいただき、今後はユーザー登録時における研究会加入率を向上させるよう施設側にお願いしているところです。ビームラインと研究会の対応についても各研究会の代表およびビームライン担当者に協力をお願いしより見やすい形で入会できるよう勧めていきます。

すべての研究分野を網羅できるように新しい研究会を立ち上げる計画しております。その際には、具体的な方策について研究会、BL担当者、会員の皆様に協力をお願いすることがあるかと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
利用者の多くの方が参加する組織として研究会を位置づけ、利用者の意見を取りまとめていくことに賛成する。 例えば、BL41XUのシフト配分が現在は1.5 シフト単位であるが、ビームラインの高度化等によりサンプル測定が効率化した現在においては、0.5シフトや1シフト等、単位を見直す必要があると個人的には考えている。しかしながら、そういった課題を議論し、取りまとめた上で、ユーザー全体の意見として提言できる組織は存在しなかった。このような課題へ取り組む場として、新たな研究会の組織化に期待する。
また、つくばのPhoton Factory のユーザー団体等、他施設との連携に関しても今後、視野に入れて欲しい。
研究会組織の提案に賛同する意見をいただきありがとうございます。 なお、BL41XUのシフト単位に関する意見については、同様の意見がSPRUC放射光構造生物学研究会でも意見として挙げられておりました。SPRUCとして施設側に対応をお願いいたしました。今後、施設側からにユーザーにたいして正式にアナウンスがあると思われますので今しばらくお待ちください。他施設のユーザー団体との連携の重要性は認識しており、同一のワークショップに共に共催として加わるなど、少しつづですがSPRUCとして活動を開始しています。また、一部の研究会では多施設との連携が積極的に進められています。今後はより積極的に連携を行っていくよう努めます。
BL32B2とBL41XUは、他のBLとは異なり予約単位が1.5シフト(12時間)となっていますが、両BLとも高速測定が可能なため、1社で1.5シフトを使い切ることは難しく、創薬産業構造解析コンソーシアムでは他社との相乗りで1.5シフト単位に調整してBT予約を行っております。今秋以降両BLの検出器が変更され、読み出し時間が大幅に短縮されることは大変喜ばしいのですが、測定の所要時間が短縮されるとBTの予約時間数が減り、1.5シフト単位での予約が難しくなる恐れがあります。現在は1シフト単位で予約が可能な他のBLも、今後の設備の高度化によりより短時間で測定が可能になると期待されますが、その分1シフトよりも短いBTで必要な数のデータを測定可能になり、シフト単位での予約ではBTの無駄が多くなることが予想されます。
そこで、以下の提案を提出させていただきます。
・BTの予約単位を、シフトよりも短い値(例えば1時間単位)に変更することを検討する。
・前項が実施できない場合でも、BL32XUとBL41XUについては1.5シフト単位から1シフト単位に変更する。
上記と同様の回答になりますが、タンパク質結晶構造解析用BLのシフト単位については、施設側に対応をお願いいたしました。今後、施設側からにユーザーにたいして正式にアナウンスがあると思われますので今しばらくお待ちください。
中間報告の「背景・問題点」から改革の必要性は十分理解できます。
具体的な方策についても、よく考えられた形にまとめられていると思います。具体的な方策(1)の分野に関しては、現状より簡潔で、実効的と思われますし、(3)に関しても、ユーザーの受け皿を増やすという点で、大きな意義があると思われます。(2)も将来的に重要になっていくと思われます。(3)で研究テーマを絞った研究会の新設が行われることで、そこが核となって、(2)がすすめられるというような展開も考えられると思います。
賛同する意見をいただきありがとうございます。
その他1件
いただいたご意見の中で、個別に対応すべきご意見に関しては、SPRUC会員からの意見として施設側に伝えました。
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