大型放射光施設 SPring-8

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我が国初のX線自由電子レーザー施設SACLAで最初の利用研究課題の募集開始(プレスリリース)

公開日
2011年10月05日
  • SACLA

2011年10月5日
登録施設利用促進機関 財団法人高輝度光科学研究センター
独立行政法人理化学研究所

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)が整備し、現在調整運転を進めているX線自由電子レーザー施設SACLA(さくら)*1の利用者への供用を2012年3月より開始します。これに先立ち、高輝度光科学研究センター(白川哲久理事長)は、SACLA利用者の募集を10月6日より開始します。

 SACLAは創薬をはじめとするライフサイエンス分野や蓄電池や太陽電池開発などに代表されるナノテクノロジー・材料分野といった幅広い科学技術分野において、革新的な成果を諸外国に先駆けて創出することが期待される研究基盤です。

 SACLAは、隣接する大型放射光施設SPring-8*2と同様「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」の対象に位置づけられている共用施設であり、国内外産学官の利用者に対し広く利用機会を提供します。

 SACLA(及びSPring-8)の利用者に対して利用促進業務を行う「登録施設利用促進機関」である高輝度光科学研究センターは、SACLAで行われる研究課題を公募するとともに、公平・公正な審査を経て選定された課題の利用者が円滑に実験・測定を行うことができるよう技術支援を行います。

 今回公募した課題の選定結果については、2012年1月下旬に決定予定です。応募の詳細については、募集要項のホームページ http://sacla.xfel.jp/proposal (このURLは10月6日(木)午前10時より有効)をご確認ください。

1. 公募の概要
○利用期間
 2012年3月~7月(予定)
○応募資格
 国内外の産学官に所属する研究者等
○応募課題
 1)重点戦略課題
   成果の創出を戦略的に図るためにテーマを設定し、設定されたテーマに沿って公募する課題。重点戦略分野として
    ①生体分子の階層構造ダイナミクス
    ②ピコ・フェムト秒ダイナミックイメージング
   の2つを設定し、更に各分野の下にそれぞれ5課題(=テーマ)、計10テーマを設定。詳細は参考資料を参照。
 2)一般課題
   特定のテーマ等を設定せずに公募する課題(=上記重点戦略課題以外の課題)
○募集期間
 2011年10月6日(木)~12月15日(木)
○採択時期
 2012年1月下旬頃(予定)
○募集要項の詳細URL http://sacla.xfel.jp/proposal ※このURLは10月6日(木)午前10時より有効
 参考)SACLAのホームページ http://xfel.riken.jp/


《用語解説》
*1 X線自由電子レーザー施設SACLA(さくら)

X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free-Electron Laser)は、通常のレーザーと異なり、物質に束縛されていない自由電子を用いてレーザー増幅を行う。 日本におけるXFEL施設は、 第3期科学技術基本計画における5つの国家基幹技術の1つとして位置付けられ、独立行政法人理化学研究所の大型放射光施設SPring-8に隣接して整備が進められてきた。2011年3月には施設が完成し、 愛称がSACLA(SPring-8 Angstrom Compact free electron Laser)に決定した。
 SACLAは、これまでの放射光と比べて、輝度は10億倍、パルス幅は1,000分の1 (10フェムト秒=100兆分の1秒)、さらに100パーセント位相のそろったコヒーレントなX線という性能を持つ。目指す最短波長は0.6Å。 基礎・基盤研究から、産業や応用研究開発まで、諸外国に先駆けて革新的な成果を創出することが期待される。具体的には、がんやエイズなどの難病に対する特効薬の開発、持続的発展に必要な新エネルギーシステムの研究など、幅広い分野での活用が見込まれている。

*2 大型放射光施設SPring-8
独立行政法人理化学研究所が所有する、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の大型放射光施設。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeV に由来する。放射光(シンクロトロン放射)は、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げたときに発生する、細く強力な電磁波のこと。SPring-8では、遠赤外から可視光線、軟X線を経て硬X線に至る幅広い波長域で放射光を得ることができるため、原子核の研究からナノテクノロジー、バイオテクノロジー、産業利用や科学捜査まで幅広い研究が行われている。日本の先端科学・技術を支える高度先端科学施設 として、日本国内外の大学・研究所・企業から年間1万4,000人以上の研究者が利用している。


《参考資料》

SACLA及びSPring-8全景
SACLA及びSPring-8全景


SACLAの利用研究における重点戦略分野と戦略課題について
SACLAの利用研究における重点戦略分野と戦略課題について

「X線自由電子レーザー利用推進計画(中間報告)」
(平成23年6月27日、X線自由電子レーザー利用推進戦略会議(文部科学省))より抜粋



《問い合わせ先》

(利用制度に関するお問い合わせ)
 財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
  利用業務部 牧田、杉本
  TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965
  E-mail: e-mail1.png

(利用研究に関する係る技術的お問い合わせ)
 財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
  XFEL研究推進室 後藤
  TEL:0791-58-0992 FAX:0791-58-0830
  E-mail: e-mail1.png

(SACLAの施設に関するお問い合わせ)
 独立行政法人理化学研究所
  播磨研究所 研究推進部 企画課
  TEL:0791-58-0900 FAX:0791-58-0800
  E-mail: e-mail1.png

(報道担当)
 財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
  広報室 木村、岡田
  Tel:0791-58-2785 Fax:0791-58-2786
  E-mail:kouhou@spring8.or.jp