散漫散乱:原子配列の乱れを観測する
問い合わせ番号
SOL-0000001260
ビームライン
BL02B1(単結晶構造解析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
---|---|
B. 試料詳細 | 磁性体, 絶縁体・セラミックス, 結晶性固体, 結晶 |
C. 手法 | X線回折, X線弾性散乱 |
D. 手法の詳細 | 単結晶構造解析, 散漫散乱, 広角散乱 |
E. 付加的測定条件 | 偏光(直線), 室温 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 欠陥、転位、歪み, 構造変化, 相転移 |
産業利用キーワード
階層1 | 電子部品, 記憶装置, 電池, 化学製品, 工業材料 |
---|---|
階層2 | コンデンサー, HD、MO, 二次電池、太陽電池 |
階層3 | 容量膜, 磁性層, 磁気ヘッド |
階層4 | 結晶構造, 価数 |
階層5 | 回折, X線散乱 |
分類
A80.14 磁性材料, A80.30 無機材料, M10.10 単結晶回折
利用事例本文
X線散漫散乱は、電荷分布の乱れを調べることのできる有効な手法です。この手法を用いることで、 結晶中の原子位置の乱雑さを測定することができます。この手法は、様々な温度・圧力・外場などの試料環境下において非破壊で実施することが可能です。図に示すのは、 Pr0.6Ca0.4MnO3について測定した(10,4,0)基本反射まわりの散漫散乱強度です。この結果から、始めにMnイオン価数の不均化が起こり次いでMnイオン間の相関が発達するというMnイオンの電荷・軌道秩序発生の前駆現象の詳細がわかりました。
[ S. Shimomura, T. Tonegawa, K. Tajima, N. Wakabayashi, N. Ikeda, T. Shobu, Y. Noda, Y. Tomioka and Y. Tokura, Physical Review B 62, 3875-3878 (2000), Fig. 5,
©2000 American Physical Society ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
Phys. Rev. B 62, 3875 (2000)
図番号
5
測定手法
単結晶回折実験は、物質の構造を原子的尺度で調べられる強力な測定方法です。この方法は、結晶であればどんな物質にも適用でき、原子レベルの構造を解明することができます。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
4 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
---|---|---|
4軸回折計 | 回折強度測定 |
参考文献
文献名 |
---|
S. Shimomura et. al., Phys. Rev. B 62, 3875 (2000). |
関連する手法
中性子線回折、電子線回折
アンケート
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
熟練が必要
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
1シフト以下