大型放射光施設 SPring-8

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パーソナルツール
 

共鳴X線散乱:LuFe2O4のFeイオンの電荷秩序状態の観測

問い合わせ番号

SOL-0000001262

ビームライン

BL02B1(単結晶構造解析)

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料
B. 試料詳細 誘電体・強誘電体, 絶縁体・セラミックス, 結晶性固体, 結晶
C. 手法 X線回折
D. 手法の詳細 広角散乱
E. 付加的測定条件 偏光(直線), 低温(〜液体ヘリウム)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 相転移

産業利用キーワード

階層1 電子部品, 記憶装置
階層2 コンデンサー, HD、MO, 二次電池、太陽電池
階層3 容量膜, 磁性層, 電極
階層4 電子状態, 価数
階層5 回折

分類

A80.10 エレクトロニクス, A80.12 半導体・電子材料, A80.30 無機材料, M10.10 単結晶回折

利用事例本文

共鳴X線散乱は散乱体の価数の違いを調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、 結晶中の電荷秩序状態を測定することができます。X線吸収端近傍で原子散乱因子が価数敏感となることを利用することで、通常の回折実験では困難な電荷秩序状態の観測が可能になります。図に示すのは、LuFe2O4について測定した(1/3, 1/3, 13/2)超格子反射強度のエネルギープロファイルです。この結果から、2価と3価の鉄イオンが超格子構造を構成しているがわかりました。

図 (1/3, 1/3, 13/2)超格子反射強度のエネルギープロファイル

[ N. Ikeda, H. Ohsumi, K. Ohwada, T. Inami, K. Kakurai, Y. Murakami, K. Yoshii, S. Mori, Y. Horibe and H. Kito, Nature 436, 1136-1138 (2005), Fig. 2,
©2005 Nature Publishing Group ]

 

画像ファイルの出典

私信等、その他

詳細

池田直氏提供

測定手法

単結晶回折実験は、物質の構造を原子的尺度で調べられる強力な測定方法です。この方法は、結晶であればどんな物質にも適用でき、原子レベルの構造を解明することができます。

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

12 時間

測定装置

装置名 目的 性能
4軸回折計 回折強度測定 冷凍機搭載

参考文献

文献名
N. Ikeda et. al., Nature 436 (2005) 1136-1138.
Y. Murakami et. al., Phys. Rev. Lett. 80, 1932 (1998).

関連する手法

電子線回折、中性子線回折

アンケート

本ビームラインの主力装置を使っている

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

熟練が必要

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

1シフト以下

最終変更日 2019-11-22 09:19