ナノ細孔中に物理吸着した酸素分子の直接観察
問い合わせ番号
SOL-0000001265
ビームライン
BL02B2(粉末結晶構造解析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 有機材料 |
---|---|
B. 試料詳細 | 結晶性固体, 低分子有機材料, 結晶 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 低温(〜液体窒素), ガス吸着 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 構造解析, 結晶構造, 機能構造相関, 電荷密度 |
産業利用キーワード
階層1 | 電池, 環境 |
---|---|
階層2 | 燃料電池, 触媒 |
階層3 | 電極 |
階層4 | 結晶構造, 吸着状態 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.14 磁性材料, A80.32 有機材料, A80.40 環境材料, A80.42 エネルギー・資源, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
粉末回折法は 結晶構造を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、結晶性物質の 原子位置、格子定数などを決定することができます。また、放射光を利用することによって、構造パラメータだけではなく結合状態や価数といった物性の発現と密接に関連した電子密度レベルでの構造を明らかにすることも可能です。図に示すのは、 酸素ガス吸着下で金属錯体について測定した回折データを解析して得られた電子密度分布です。この結果から、金属錯体の規則正しく並んだナノメートルサイズの細孔の一つ一つに、酸素分子(赤)が一列に並んでいることががわかりました。
図 酸素分子を吸着していない状態(上)と吸着した状態(下)の電子密度分布
[ R. Kitaura, S. Kitagawa, Y. Kubota, T. C. Kobayashi, K. Kindo, Y. Mita, A. Matsuo, M. Kobayashi, H.-C. Chang, T. C. Ozawa, M. Suzuki, M. Sakata and M. Takata, Science 298, 2358-2361 (2002), Fig. 3,
©2002 American Association for the Advancement of Science ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
Science, 298 (2002) 2358.
図番号
3
測定手法
放射光を用いた粉末回折法は、結晶構造を調べられる強力な測定方法です。この方法は、物質にガスを吸着した状態でも適用でき、ガス吸着下での結晶構造に関する情報を得ることができます。
図 ガス吸着下粉末回折装置
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
SPring-8 利用者情報, 8 (2003) 406.
図番号
2
測定準備に必要なおおよその時間
1 シフト
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
---|---|---|
大型デバイシェラーカメラ | 粉末結晶構造解析 | カメラ半径:286.48mm, 温度:15-1000K |
参考文献
文献名 |
---|
R. Kitaura et al., Science, 298 (2002) 2358. |
関連する手法
単結晶構造解析
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
ユーザー持ち込み装置を使った
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
4~9シフト