シアノ錯体における電荷移動の直接観察
問い合わせ番号
SOL-0000001268
ビームライン
BL02B2(粉末結晶構造解析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
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B. 試料詳細 | 磁性体, 結晶性固体, 結晶 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 低温(〜液体窒素), 室温 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 結合状態, 構造解析, 結晶構造, 構造変化, 機能構造相関, 電荷密度, 相転移 |
産業利用キーワード
階層1 | 記憶装置 |
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階層2 | HD、MO, CD-R、DVD |
階層3 | 磁性層 |
階層4 | 原子間距離, 結晶構造, 価数 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.14 磁性材料, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
粉末回折法は 結晶構造を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、結晶性物質の 原子位置、格子定数などを測定することができます。また、放射光を利用することによって、構造パラメータだけではなく結合状態や価数といった物性の発現と密接に関連した電子密度レベルでの構造を明らかにすることも可能です。図に示すのは、光誘起磁性を示すシアノ錯体RbMn[Fe(CN)6]について測定した回折データを解析して得られた電子密度分布です。この結果から、磁化率の変化に伴うMnサイトからFeサイトへの電荷移動がわかりました。
図 RbMn[Fe(CN)6]における室温(左)と電荷移動後の低温(右)の電子密度分布
画像ファイルの出典
私信等、その他
詳細
BL担当自身が作成。
測定手法
放射光を用いた粉末回折法は、結晶構造を調べられる強力な測定方法です。この方法は、電子密度レベルでの構造解析にも適用でき、原子の価数の変化に関する情報を得ることができます。
図 大型デバイシェラーカメラの模式図(左)と写真(右)
画像ファイルの出典
BL評価プレゼン資料
測定準備に必要なおおよその時間
1 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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大型デバイシェラーカメラ | 粉末結晶構造解析 | カメラ半径:286.48mm, 温度:15-1000K |
参考文献
文献名 |
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K. Kato et al., Physical Review Letters, 91 (2003) 255502. |
関連する手法
単結晶構造解析
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
同種実験は本ビームラインの課題の30%以上を占めている
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト