孤立五員環則を破るフラーレン分子Sc2@C66の構造決定
問い合わせ番号
SOL-0000001271
ビームライン
BL02B2(粉末結晶構造解析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 有機材料 |
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B. 試料詳細 | 半導体, 結晶性固体, 結晶 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 室温 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 分子構造, 構造解析, 結晶構造, 電荷密度 |
産業利用キーワード
階層1 | 半導体 |
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階層2 | |
階層3 | |
階層4 | 結晶構造 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.12 半導体・電子材料, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
粉末回折法は 結晶構造を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、結晶性物質の 原子位置、格子定数などを決定することができます。また、放射光を用いることにより、構造パラメータだけではなく結合状態や価数といった物性の発現と密接に関連した電子密度レベルでの構造を明らかにすることも可能です。図に示すのは、 金属内包フラーレンSc2@C66について測定した回折データを解析して得られた電子密度分布です。この結果から、孤立五員環則を破る新しい構造を持つフラーレンが存在することがわかりました。
図 Sc2@C66の電子密度分布(左)とその構造モデル(右)
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
SPring-8 利用者情報, 6 (2001) 116.
図番号
4
測定手法
放射光を用いた粉末回折法は、結晶構造を調べられる強力な測定方法です。この方法は、数ミリグラムの極微量しか得られない粉末試料にも適用でき、新規構造に関する情報を得ることができます。
図 大型デバイシェラーカメラの模式図(左)と写真(右)
画像ファイルの出典
BL評価プレゼン資料
測定準備に必要なおおよその時間
1 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
---|---|---|
大型デバイシェラーカメラ | 粉末結晶構造解析 | カメラ半径:286.48mm, 温度:15-1000K |
参考文献
文献名 |
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C. R. Wang et al., Nature, 408 (2000) 426. |
関連する手法
単結晶構造解析
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
熟練が必要
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
4~9シフト