スピンクロスオーバー錯体における光励起下構造解析
問い合わせ番号
SOL-0000001273
ビームライン
BL02B2(粉末結晶構造解析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 有機材料 |
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B. 試料詳細 | 磁性体, 結晶性固体, 低分子有機材料, 結晶 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 低温(〜液体窒素), 光照射 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 分子構造, 構造解析, 結晶構造, 構造変化, 相転移 |
産業利用キーワード
階層1 | 記憶装置 |
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階層2 | HD、MO, CD-R、DVD |
階層3 | 磁性層 |
階層4 | 格子定数, 原子間距離, 結晶構造 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.14 磁性材料, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
粉末回折法は 結晶構造を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、結晶性物質の 原子位置、格子定数などを測定することができます。また、放射光を用いることにより、構造パラメータだけではなく結合状態や価数といった物性の発現と密接に関連した電子密度レベルでの構造を明らかにすることも可能です。図に示すのは、光誘起相転移を示すスピンクロスオーバー錯体[Fe(ptz)6](BF4)2について測定した回折データです。このデータを解析した結果、光照射下においてのみ存在する励起状態の構造がわかりました。
図 [Fe(ptz)6](BF4)2における回折パターンの光強度依存性
[ Y. Moritomo, K. Kato, A. Kuriki, A. Nakamoto, N. Kojima, M. Takata and M. Sakata, Journal of the Physical Society of Japan 71, 2609-2612 (2002), Fig. 1,
©2002 日本物理学会 ]
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所内報
誌名
SPring-8 Research Frontiers, 2001B/2002A
ページ
32
測定手法
放射光を用いた粉末回折法は、結晶構造を調べられる強力な測定方法です。この方法は、光照射下においても適用でき、光励起状態の結晶構造に関す情報を得ることができます。
図 光照射下粉末回折装置
画像ファイルの出典
BL評価プレゼン資料
測定準備に必要なおおよその時間
1 シフト
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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大型デバイシェラーカメラ | 粉末結晶構造解析 | カメラ半径:286.48mm, 温度:15-1000K |
参考文献
文献名 |
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Y. Moritomo et al., Journal of the Physical Society of Japan, 71 (2002) 2609. |
関連する手法
単結晶構造解析
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
ユーザー持ち込み装置を使った
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
4~9シフト