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FeSの低温・高圧下での結晶構造相転移

問い合わせ番号

SOL-0000001321

ビームライン

BL10XU(高圧構造物性)

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料
B. 試料詳細 金属・合金, 絶縁体・セラミックス, 結晶
C. 手法 X線回折
D. 手法の詳細 粉末結晶構造解析
E. 付加的測定条件 高圧(DAC), 低温(〜液体ヘリウム)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 結晶構造, 相転移

産業利用キーワード

階層1 電子部品, 工業材料, その他
階層2
階層3
階層4 電子状態
階層5 回折

分類

A80.12 半導体・電子材料, A80.14 磁性材料, M10.20 粉末結晶回折

利用事例本文

本事例では硫化鉄(FeS)について低温下での高圧X線回折実験を行い、結晶構造の圧力変化を観測しました。BL10XUの低温・高圧実験装置を用れば、試料を17Kまで冷却しDAC(ダイヤモンドアンヴィルセル)で圧力印加しながら、X線回折の強度解析によって結晶構造をその場観察することができます。この実験では、図に示すようなX線回折像の変化が観測され、それぞれ圧力誘起結晶構造相転移が起こっていたことがわかりました。また、2.3GPaでの圧縮曲線の屈曲に対して、電気抵抗の測定と合わせた結果、金属-非金属転移の発生が明らかになりました(H. Kobayashi et al., PRB, 71(2005)014110)。

図 FeSの低温/高圧下でのX線回折プロファイルと体積変化

[ H. Kobayashi, T. Kamimura, Y. Ohishi, N. Takeshita and Mori, Physical Review B 71, 014110 (2005), Fig. 1, 2,
©2005 American Physical Society ]

 

画像ファイルの出典

原著論文/解説記事

誌名

PRB, 71(2005)014110

図番号

1,2

測定手法

BL10XUでの低温・高圧下でのX線回折実験は、クライヲスタットの中にダイヤモンドアンヴィルセル(DAC)を封入し、透過窓からX線回折像を測定します。窓はマイラ製で光学的観察が行えるので、低温下においてもルビー蛍光法による試料の圧力測定が可能です。また、DACはHeガス駆動方式です。したがって、試料の温度と圧力が外部から制御でき、広い温度圧力領域(多くの観測点)でのX線回折測定が効率よく実施できます。

 

図 BL10XUの低温高圧X線回折装置

 

画像ファイルの出典

BL評価プレゼン資料

測定準備に必要なおおよその時間

1 シフト

測定装置

装置名 目的 性能
DAC用クライオスタット 高圧・低温装置 70GPa, 10K

参考文献

関連する手法

低温高圧での電気抵抗測定、赤外線反射率

アンケート

本ビームラインの主力装置を使っている

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

中程度

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

4~9シフト

最終変更日 2006-03-30 11:14