高エネルギーXPSによるカーボンナノチューブ合成触媒の高温反応過程の解析
問い合わせ番号
SOL-0000001378
ビームライン
BL15XU(理研 物質科学III)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
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B. 試料詳細 | 金属・合金, 半導体 |
C. 手法 | 光電離、二次電子 |
D. 手法の詳細 | 光電子分光 |
E. 付加的測定条件 | 高温(>>500度) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 化学状態, 結合状態, 機能発現 |
産業利用キーワード
階層1 | ディスプレイ, 化学製品, 工業材料 |
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階層2 | PDP、FED, 燃料電池, 触媒 |
階層3 | |
階層4 | 電子状態, 化学状態 |
階層5 | XPS |
分類
M50.10 光電子分光
利用事例本文
高エネルギー放射光を用いた光電子分光(XPS)は、物質の表面だけでなく内部の電子状態や化学結合状態を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、半導体や金属、絶縁体などを、試料表面の汚染層や変質層を気にすることなく光電子分光測定をすることができます。
カーボンナノチューブは、鉄やコバルトなどの金属微粒子を触媒としてCVD法等によって成長させることが可能です。この原理を利用し、シリコン基板上にこれら金属微粒子触媒を散布することによって、シリコン基板上にカーボンナノチューブを合成しナノスケールの配線を実現することが可能になります。このナノチューブ高温合成過程において、シリコン基板上の酸化シリコン層が、鉄触媒のシリサイド化に伴う触媒活性の失活を防いでくれる過程が本研究により明らかとなりました。
[ F. Maeda, E. Laffosse, Y. Watanabe, S. Suzuki, Y. Homma, M. Suzuki, T. Kitada, T. Ogiwara, A. Tanaka, M. Kimura, V. A. Mihai, H. Yohsikawa and S. Fukushima, Physica E 24, 19-25 (2004), Fig. 3,
©2004 Elsevier Science Publisher ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
Phisica E 24 (2004) 19-25
図番号
Fig3
測定手法
高エネルギー光電子分光は、高エネルギーの放射光を使って高い運動エネルギーを持つ光電子を励起し、試料の深部より放出される光電子を分光する手法です。高エネルギーの光電子を分光しているため、試料表面の汚染層や変質層の影響をあまり受けないため、表面清浄化等の前処理すること無くXPS観察することが可能になります。本装置は最大4.8keVまでの光電子を分光することが可能です。また最大1000℃までの試料加熱中のXPS測定も可能です。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
1 シフト
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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高エネルギーXPS | 試料内部の化学状態ならびに化学結合状態の解析 | 最大分光エネルギー4.8keV、最大温度1000℃ |
参考文献
文献名 |
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Physica E24 (2004) 19-25 |
関連する手法
アンケート
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト