マウス細気管支のコンプライアンス測定
問い合わせ番号
SOL-0000001436
ビームライン
BL20B2(医学・イメージングI)
学術利用キーワード
A. 試料 | 生物・医学 |
---|---|
B. 試料詳細 | 生体組織、細胞系等 |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | 反射、屈折 |
E. 付加的測定条件 | 三次元画像計測(CT等) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 構造変化 |
産業利用キーワード
階層1 | 環境, 製薬, その他 |
---|---|
階層2 | 製剤 |
階層3 | 薬物, 生体 |
階層4 | 形態 |
階層5 | イメージング |
分類
M60.20 X線CT
利用事例本文
本事例ではマウス肺について高速CT撮影を行い、末梢細気管支のコンプライアンス(柔らかさ)を解析しました。高速CT撮影は、測定時間が10分以内と短く、ホルマリンなどによる固定処理を行っていない軟組織の臓器の撮影に適しています。そこで本研究では、未処理の肺を撮影し、直径200ミクロン程度の末梢細気管支のコンプライアンスを測定しました。このデータから、気管支のコンプライアンスは、末梢ほど大きいことが明らかになりました。
下図に、本手法によって撮影したマウス断層像(A:オリジナル画像(Bar:1 mm)、B:ズーム画像(Bar:250 micron))と呼吸に伴う気管支の直径増加率を示します。ズーム画像では、誘導気管支(square)、細気管支(diamond)、肺血管(star)や葉間(arrow)が確認できます。また、安静時と比べて深呼吸時には、直径200micron以下の細気管支では約70%直径が増加し、その増加率は直径の小さい末梢細気管支ほど大きいことがわかりました。
[ T. Sera, K. Uesugi and N. Yagi, Respiratory Physiology and Nuerobiology 147, 51-63 (2005), Fig. 5, 10,
©2005 Elsevier B. V. ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
Respiratory Physiology & Nuerobiology, 147 (2005), 51-63
図番号
Figs. 5&10
測定手法
X線CTは、物体を回転させながらX線吸収像を180度分収集し、再構築するによって物体の内部断層像を非破壊的に得ることができます。特に高速X線CTは、物体を連続的に回転させることにより測定時間を10分以内にし、変形しやすい軟組織の断層像も得ることが可能となりました。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
2 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
---|---|---|
高速X線CT装置 | 軟組織の内部構造の観察 | 空間分解能で10ミクロン、測定時間で約10分 |
参考文献
文献名 |
---|
T Sera, K Uesug, N yagi, Proc of IEEE, 2004 |
T Sera, K Uesug, N yagi, Respir Physiol Neurobiol, 2005 |
T Sera, K Uesug, N yagi, Proc of BSR, 2004 |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
最近2年以内に導入した装置を使った事例
測定の難易度
初心者でもOK
データ解析の難易度
熟練が必要
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト