大型放射光施設 SPring-8

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パーソナルツール
 

2ビームホログラフィー

  • Spring8ならでは

問い合わせ番号

SOL-0000001457

ビームライン

BL20XU(医学・イメージングII)

学術利用キーワード

A. 試料 計測法、装置に関する研究
B. 試料詳細
C. 手法 X線回折, X線弾性散乱
D. 手法の詳細 干渉, コヒーレント散乱, 位相計測, 反射、屈折
E. 付加的測定条件 二次元画像計測
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 形態・巨視的構造

産業利用キーワード

階層1
階層2
階層3
階層4 形態
階層5 イメージング

分類

利用事例本文

レーザーホログラフィーは被写体からの光の波面を再構成する光学的な手法であり、三次元情報の記録再生による画像計測法として広く使われています。X線領域ではレーザーような高輝度で干渉性の良い光源が無かったたことと、適切なX線の波面分割光学系が無かったために硬X線領域のホログラフィーは出来ていませんでした。ここではSPrin-8の硬X線アンジュレータ光源と長い(248m長)ビームラインであるBL20XUによって得られる広い可干渉領域(最大で1mm程度)を得ることによって可能となったX線領域でのホログラフィーの例を示します。実験装置の光学系は図1に示すように、波面分割光学系として屈折プリズムを使っています。撮影されたホログラムの一例を図2に、再構成像を図3に示します。X線エネルギーは12.4keVであり、試料はテスト試料として用いた金属メッシュ(周期64ミクロン)です。この実験自体は何かの応用に直接つながるものではありませんが、X線領域でもホログラフィーのような干渉実験が可能になっている例題として掲載しました。

図1.ホログラフィー実験装置光学系

図2.ホログラム

図3.再構成像

[ Y. Suzuki, 放射光 18, 75-83 (2005), Fig. 12,
©2005 日本放射光学会 ]

画像ファイルの出典

原著論文/解説記事

誌名

放射光学会誌 18 (2005) 75-83

図番号

12

測定手法

この実験はBL20XUの特長である、高輝度かつ高コヒーレントX線ビームを利用した実験の代表的なものです。また、この実験では他に二つの重要なポイントがありました。ひとつはBL20XUではスッペクルノイズの非常に少ないクリーンなビームが得られていることです。もうひとつはホログラムを記録するためにX線ズーミング管と呼ばれる高空間分解能の画像検出器を用いたことです。X線ズーミング管は広いエネルギー領域(軟X線から100keV程度の高エネルギーまで)でサブミクロンの解像度を有するX線カメラです。またX線ズーミング管はデジタルCCDカメラを用いているため計測した画像は直接数値演算処理が可能なデジタルデータとして記録されるので、ホログラムの計算機像再生が容易に出来ます。

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

3 シフト

測定装置

装置名 目的 性能
多目的イメージング用精密回折計 X線イメージング実験
X線ズーミング管 画像計測 分解能0.7ミクロン以上

参考文献

関連する手法

アンケート

SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

中程度

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

2~3シフト

最終変更日 2019-11-22 09:02