通常モード用回折計
Inquiry number
INS-0000001584
図1は通常モード用の回折計です。回折計は、入射系装置、試料周辺装置、サンプルチェンジャー、ゴニオメーターから構成されています。
図1 実験ハッチ2に設置した通常モード用の回折計
(入射系装置)
ビーム強度調整用アッテネーター、シャッター、4象限スリット、および強度モニタから構成され、真空チャンバー内に収納されています。
(ゴニオメーター)
240°/秒の高速回転が可能です。また、偏心度が1 µm以下であるため、微小結晶の測定が可能です。
(試料周辺装置)
試料観察用の同軸顕微鏡、上流光学系からの寄生散乱を抑制するコリメーター、ビームストップなどから構成されています。
(吹き付け低温装置)
窒素ガスとヘリウムガスを切り換えて利用することができ、窒素ガスを用いた場合は、最低100 Kまで、また、ヘリウムガスを用いた場合は20 Kまで試料を冷却することが可能です。
(サンプルチェンジャー)
SPring-8で開発されたSPACE-II(Murakami et al., Acta Cryst. D76 (2020) 155-165)を導入しています。利用できるサンプルカセットはUni-Puckです。一度に8個のカセットを装填できます。なお、ハッチへの出入りによる温度変動の抑制と機器トラブル防止のため、全ユーザーに利用をお願いしています。
(検出器)
フォトンカウンティング型二次元X線検出器(DECTRIS社製EIGER 16M)を導入しています。
回折計の概要
スピンドル軸 | 回転角の制限無し |
スピンドル軸の回転速度 | 240°/s |
センタリング用並進軸の可動範囲 | X: ± 4.0 mm, Y: ± 20.0 mm, Z: ± 4.0 mm |
利用可能サンプルピン | 金属製のサンプルピン 高さは18 mmを推奨 |
最短カメラ長 | 180 mm (利用可能ビームサイズを制限すると、120 mm ~ 280 mmを利用可能。 ただし、スタッフによる調整が必要) |
吹き付け低温装置の設定可能温度 | ≥ 100 K (窒素ガス使用時) ≥ 20 K (ヘリウムガス使用時) |
EIGER 16Mの性能
有効検出面積 | 311.2(W) × 327.8(H) mm2 |
画素数 | 4150(W) × 4371(H) pixels |
画素サイズ | 75 × 75 µm2 |
フレームレート | Max 133 (frame/s) |
その他の実験機器
- XAFS用検出器 Silicon Drift検出器FAST SDD (AMPTEK)
- マルチチャンネルアナライザ MCA-700 (SEIKO EG&G)
- 実体顕微鏡 OLYMPUS SZX-10, SZX-16
- 試料保存用インキュベータ 4, 20℃
- 液体窒素容器
- Uni-Puckハンドリングツール
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