BL43IR 概要
Inquiry number
INS-0000001415
ビームラインの概要
BL43IRは赤外顕微分光を行うビームラインです。一般的に赤外分光測定に用いるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)は、多くの研究施設において基本的な装置として設置されていますが、SPring-8のような放射光施設とFTIRを組み合わせて分光測定を行う意義は、赤外放射光の高輝度性を活用することにあります。赤外放射光の高輝度性は、微小領域への集光性能の優位性であり、赤外顕微鏡を用いた、微小領域、微小試料の顕微分光は、BL43IRの利用研究の実際的なメインテーマです。BL43IRには、39.3 mの大きな軌道半径を持つ偏向磁石から放射される高輝度赤外光を光源としたFTIR+赤外顕微鏡を複数整備しています。
研究分野
- 赤外顕微分光
(物理、化学、生物、地球科学、考古学、天文学、ヘルスケア、医歯薬学、高分子、材料科学、産業利用、ほか)
キーワード
- 高輝度赤外放射光、微小試料、高空間分解マッピング、低温高圧、高温高圧
光源と光学系
実験ステーション
高空間分解顕微鏡(Bruker Hyperion2000)
2011年度から供用を開始。赤外放射光光源の高輝度性をより生かすために、高精度ミラーで構成される対物鏡を備え、空間分解能を重視しています。高空間分解能、対物鏡の精度向上によるクリアな試料観察機能、信号処理系の進歩によるS/N比の向上が特徴です。
- 分光光度計:Bruker Vertex70
- 波数域:中赤外、遠赤外(150 cm-1まで)
- 対物鏡:倍率36倍(開口数0.5、作動距離10 mm)、15倍(開口数0.4、作動距離24 mm)、20倍(ATR用)
- ビームスプリッタ:Ge/KBr, Mylar
- 検出器:MCT, Si Bolometer
- 空間分解能:中赤外領域で数マイクロメートル以下
- 組み込み装置:
- フロー式クライオスタット(オクスフォード Microstat-He)
- 試料温度範囲:4.2-400 K
- セル窓:Quartz, KRS-5, BaF2, PP
- 冷却加熱ステージ(ジャパンハイテック 10036L)
- 試料温度範囲:-190-600°C
- セル窓:BaF2
- フロー式クライオスタット(オクスフォード Microstat-He)
長作動距離(LWD)顕微鏡
対物鏡とコンデンサの間に長い作業空間(100 mm)を設け、低温高圧、高温高圧ダイヤモンドアンビルセル、低温クライオスタットなどの大きな装置を容易に設置できます。
- 分光光度計:Bruker IFS120HR
- 波数域:近赤外、中赤外、遠赤外(150 cm-1まで)
- 対物鏡:倍率8倍(開口数0.5、作動距離50 mm)
- ビームスプリッタ:Quartz, Ge/KBr, Mylar
- 検出器:Si Diode, InSb, MCT, Si Bolometer
- 空間分解能:中赤外領域で10マイクロメートル程度
- 組み込み装置:
- 低温ダイヤモンドアンビルセル
- ガスメンブレン式:30 GPa(0.4 mmキュレット)
- 試料温度範囲:10-400 K
- セル窓:Quartz, KRS-5, BaF2, PP
- フロー式クライオスタット(オクスフォード Microstat-He)
- 試料温度範囲:4.2-400 K
- セル窓:Quartz, KRS-5, BaF2, PP
- 低温ダイヤモンドアンビルセル
磁気光学顕微鏡
14テスラの超伝導マグネットを組み合わせて、低温高圧高磁場での反射顕微分光が可能です。
- 分光光度計:Bruker IFS120HR
- 波数域:中・遠赤外(›250 cm-1)
- 対物鏡:倍率16倍(開口数0.3、作動距離40 mm)
- ビームスプリッタ:Ge/KBr
- 検出器:MCT, Si Bolometer
- 最大磁場:±14 T
- 最低到達温度:5 K
文献検索
連絡先
(注)e-mailアドレスは@マーク以下を省略していますので、アカウントの後に@spring8.or.jpを付けてください。
森脇 太郎
(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-0833
FAX : 0791-58-0830
e-mail : moriwaki
池本 夕佳
(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-0833
FAX : 0791-58-0830
e-mail : ikemoto