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BL44B2 概要

問い合わせ番号

INS-0000000546

ビームラインの概要

 BL44B2は、全散乱を利用した物質科学ビームラインです。原子配置の長距離秩序に伴うブラッグ反射と短距離秩序に伴う散漫散乱の両方の計測を大前提とする全散乱実験では、広いQ(散乱ベクトルの大きさ)レンジを細かいQステップで測定する必要があります。このビームラインでは、最大で30 Å-1までのレンジを10-3Å-1のステップで同時測定できるだけでなく、0.1%の精度を保証します。そのため、対象となる試料に周期性の有無は問いません。

[参考文献]
K. Kato et al., J. Synchrotron Rad. 27, 1172-1179 (2020).
https://doi.org/10.1107/S1600577520008929
K. Kato et al., J. Synchrotron Rad. 26, 762-773 (2019).
https://doi.org/10.1107/S1600577519002145
加藤 健一, 日本結晶学会誌 62, 26-34 (2020).
https://doi.org/10.5940/jcrsj.62.26
加藤 健一, 日本結晶学会誌 63, 69-70 (2021).
https://doi.org/10.5940/jcrsj.63.69

研究分野

  • 結晶性材料の結晶・局所構造解析
  • 非晶質・ナノ材料の局所構造解析
  • 多孔質材料等の階層構造解析

キーワード

  • 測定手法
    全散乱、粉末回折
  • 装置
    二軸粉末回折計(一次元光子計数型検出器搭載)
    窒素吹付低温装置(-180~200°C)、窒素吹付高温装置(室温~800°C)
    In situガス吸着システム

光源と光学系

 偏向電磁石から発生した放射光は、光学ハッチのSi111二結晶分光器で分光された後、PtコートSiミラーで高次光の低減と二次元集光が行われます。

  • X-rays at sample
    Energy range 15.5 ~ 30.2 keV
    Energy resolution 104 in E/δE
    Photon flux 1011 photons/s
    Beam size 0.5 mm (V)×3.0 mm (H)
    ビームラインのレイアウト

    ビームラインのレイアウト

実験ステーション

実験ハッチには、検出器として全散乱計測システム'OHGI'(Overlapped High-Grade Intelligencer)を搭載した二軸粉末回折計が常設されています(下図)。このOHGIでは、2θ = 0.5°から153°までを0.01°ステップで同時にデータを測定することができます。実験条件に合わせて検出器の感度ムラを補正することで、常時、光子計数型のダイナミックレンジを最大限活用した全散乱データを提供します。

全散乱計測システムOHGI

全散乱計測システムOHGI

[参考文献]
A. A. Pinkerton, Acta Cryst. A 77, 83-84 (2021).
https://doi.org/10.1107/S2053273321000759
B. Svane et al., Acta Cryst. A 77, 85-95 (2021).
https://doi.org/10.1107/S2053273320016605
J. Beyer et al., IUCrJ 8, 387-394 (2021).
https://doi.org/10.1107/S2052252521001664

文献検索

BL44B2 PUBLICATION SEARCH

連絡先

(注)e-mailアドレスは@マーク以下を省略していますので、アカウントの後に@spring8.or.jpを付けてください。

加藤 健一 
理化学研究所 放射光科学研究センター
〒679-5148 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-2942
e-mail : katok

最終変更日 2022-05-06 15:42
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