大型放射光施設 SPring-8

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パーソナルツール
 

目の網膜にある光を受容する分子スイッチタンパク質・ロドプシンの結晶構造解析

  • Spring8ならでは

問い合わせ番号

SOL-0000001666

ビームライン

BL45XU(生体高分子結晶解析 II)

学術利用キーワード

A. 試料 生物・医学
B. 試料詳細 結晶, 膜, 生体組織、細胞系等, 生体材料, 生体高分子、結晶, 蛋白質
C. 手法 X線回折
D. 手法の詳細 単結晶構造解析
E. 付加的測定条件 低温(〜液体窒素)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 分子構造, 構造解析, 結晶構造

産業利用キーワード

階層1 製薬
階層2 ドラッグデザイン
階層3 タンパク質
階層4 局所構造, 絶対構造決定
階層5 回折

分類

A80.50 製薬, M10.10 単結晶回折

利用事例本文

本ビームラインを用いて世界で初めて7回膜貫通型レセプターであるG-タンパク質共役受容体、ウシ・ロドプシンの結晶構造解析にMAD法を用いて成功しました。ロドプシンは、視覚組織である目の網膜にある視物質です。今回の構造決定によって、ロドプシンの視覚に関する機能や構造を明快に説明できるようになったばかりでなく、科学的にも応用上も最も重要なG-タンパク質共役受容体ファミリーの基本構造を明らかにしました。本ビームラインは、新規タンパク構造を効率的に解くためにMAD法に最適化されており、結晶の再現性が悪い条件下でも、唯一つの結晶から構造決定ができます。

covermed.gif

Science誌の表紙を飾ったウシ・ロドプシンの結晶構造

[ K. Palczewski, T. Kumasaka, T. Hori, C. A. Behnke, H. Motoshima, B. A. Fox, I. L.Trong, D. C. Teller, T. Okada, R. E. Stenkamp, M. Yamamoto and Miyano, Science 289, 739-745 (2000), Fig. front page,
©2000 American Association for the Advancement of Science ]

 

画像ファイルの出典

原著論文/解説記事

誌名

Sience, 289, (2000)

図番号

front page

測定手法

タンパク質X線結晶構造解析。
酢酸水銀をソーキングしたタンパク質結晶を用いた多波長異常分散(MAD)法。
放射線損傷によるタンパク質結晶の重原子誘導体の異常分散効果の低減を目的としたトリクロメーターを利用したMAD法による測定。

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

24 時間

測定装置

装置名 目的 性能
R-AXIS IV 2次元回折像撮影 イメージングプレート、受光面積300mm x 300mm
トリクロメーター MAD法による測定時の放射線損傷効果の低減 振動フレーム毎の3波長迅速連続測定
窒素クライオ タンパク質結晶の冷却(~100K)による放射線損傷の低減 タンパク質結晶の85Kまでの冷却

参考文献

文献名
K.Palczewski, T.Kumasaka, T. Hori, C.A.Behnke, H.Motoshima, B.A.Fox, I.L.Trong, D.C.Teller, T.Okada, R.E.Stenkamp, M.Yamamoto, M.Miyano, Science, 289 (2000), 739-745.

関連する手法

アンケート

SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
同種実験は本ビームラインの課題の30%以上を占めている

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

熟練が必要

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

4~9シフト

最終変更日 2022-05-06 15:35