大型放射光施設 SPring-8

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BL47XU 硬X線光電子分光装置

問い合わせ番号

INS-0000001384

硬X線光電子分光法 (Hard X-ray Photoemission Spectroscopy: HAXPES)は、“検出深さが大きい”という特徴をもち、バルク敏感な電子状態を明確に観測できる実験手法である。従来の低励起エネルギーを用いた光電子分光法では、固体内における光電子の非弾性散乱の平均自由行程が短く検出深さが小さいために、得られる情報が試料の表面状態に強く依存することがPESの応用を妨げ、物性に寄与しているバルクの電子状態を観測することが困難であった。そこで我々はこれまでに硬X線領域(6-10KeV程度)の励起エネルギーを適用し、それに伴い高エネルギーの光電子を分析するアナライザー装置の性能向上に取り組んでいる。

SPring-8の高輝度放射光を利用することによって、プローブ深さが20nmと非常に深い電子状態を観測可能であり、BL-47XUのHAXPES装置はVG-SCIENTA製のR-4000光電子分光器を備えている。この装置を用いて硬X線領域の高分解能な角度依存光電子分光実験が可能で、表面からバルクの電子状態を調査できる。以下に装置配置図、性能と10KeV励起で測定したCu1sスペクトル例を示す。

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最終変更日 2022-05-09 15:51