大型放射光施設 SPring-8

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パーソナルツール
 

走査型X線顕微鏡

  • Spring8ならでは

問い合わせ番号

SOL-0000001687

ビームライン

BL47XU(マイクロCT)

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料, 有機材料, 生物・医学, 計測法、装置に関する研究
B. 試料詳細 金属・合金, 半導体, 絶縁体・セラミックス, 非晶質、ガラス, 生体(in vivo), 生体(in vitro), 生体組織、細胞系等, 生体材料, 生体高分子、非結晶, 医薬品, 環境関連物質, 食品関連物質
C. 手法 X線回折, X線弾性散乱, 吸収、及びその二次過程, 蛍光X線
D. 手法の詳細 小角散乱, コヒーレント散乱, 位相計測, 反射、屈折, 微量元素分析
E. 付加的測定条件 マイクロビーム(<1μm), 二次元画像計測, 三次元画像計測(CT等), 高分解能画像計測(顕微鏡)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 欠陥、転位、歪み, 形態・巨視的構造, 元素分析(微量)

産業利用キーワード

階層1 半導体, 電子部品, 記憶装置, 機械, 金属, 建設, 環境, 製薬
階層2 シリコン系半導体, 化合物半導体, CD-R、DVD, 製剤, 繊維, 食品, 日用品(シャンプー,化粧品,歯磨き粉など)
階層3 ゲート絶縁膜, 電極, 薬物
階層4 密度, 表面・界面, 亀裂、空隙, 内部構造
階層5 イメージング

分類

A80.90 その他

利用事例本文

走査型X線顕微鏡は高い空間分解能で試料の2次元或いは3次元的なイメージング測定を行える手法です。この手法を用いることで、様々な試料の透過像、蛍光X線による微量元素分布像の測定ができるほか、暗視野法と呼ばれる手法によるエッジ強調イメージングによって、透過法ではコントラストが得にくい軽元素からなる試料の測定ができます。0.15~0.5ミクロンの高い空間分解能のイメージングが可能です。図1に示すのは、人工ダイヤモンド内の、金属不純物の分布です。左上:透過像、左下:暗視野(エッジ強調)像、蛍光X線による鉄、ニッケル、コバルト、銅のそれぞれの分布像に相当します。この結果から、金属の種類により微妙に分布が異なることが分かります。また、図2は、珪藻土の透過像(左)と、暗視野によるエッジ強調像(右)です。透過像ではコントラストが低くて分かりづらい内部の構造が、暗視野像では非常に鮮明に見えているのが分かります。

図1 人工ダイヤモンド内金属不純物の分布。左上:透過像、左下:暗視野像、中上:鉄の蛍光X線像、中下:ニッケル蛍光X線像、右上:コバルト蛍光X線像、右下:銅の蛍光X線像。

 

図2 珪藻土の透過像(左)と暗視野像(右)

画像ファイルの出典

私信等、その他

詳細

筆者がBL調整の中で撮ったデータ

測定手法

走査型X線顕微鏡はフレネルゾーンプレート等の集光光学素子を用いて生成した集光ビームを使います。集光ビームサイズは、0.15ミクロン~0.5ミクロンで、これが空間分解能になります。

走査型X線顕微鏡の概念図

画像ファイルの出典

私信等、その他

詳細

自作

測定準備に必要なおおよその時間

2 シフト

測定装置

装置名 目的 性能
フレネルゾーンプレート X線の集光 理論分解能0.1ミクロン、0.25ミクロン
ビームモニタ2 光学系の調整、データ取得 ピクセルサイズ4.3ミクロン
精密直進ステージ 試料の走査 動作精度10nm以下
シリコンドリフト検出器 蛍光X線の検出

参考文献

文献名
Y. Suzuki et. al., Proc. SPIE, 4499, 74-84 (2001).
Y. Suzuki et. al., Jpn. J. Appl. Phys., 40, 1508-1510 (2001).

関連する手法

X線マイクロビーム

アンケート

SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

中程度

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

2~3シフト

最終変更日 2022-05-09 15:51