大型放射光施設 SPring-8

コンテンツへジャンプする
» ENGLISH
パーソナルツール
 

X線CTを用いた宇宙塵(微隕石)の密度測定

  • Spring8ならでは

問い合わせ番号

SOL-0000001708

ビームライン

BL47XU(マイクロCT)

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料
B. 試料詳細 結晶性固体, 非晶質、ガラス, 結晶, 鉱物・岩石
C. 手法 吸収、及びその二次過程
D. 手法の詳細
E. 付加的測定条件 三次元画像計測(CT等)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 形態・巨視的構造

産業利用キーワード

階層1 建設, その他
階層2 コンクリート
階層3
階層4 密度, 亀裂、空隙, 内部構造, 形態
階層5 イメージング

分類

A80.90 その他, M60.20 X線CT

利用事例本文

地球に落下してくる地球外物質は、1mmより大きな隕石と 1mmより小さな宇宙塵とに分けることができます。最近の研究により、宇宙塵は隕石とは異なった起源をもつものがあることがわかってきています。宇宙塵の中でも、極地の雪や氷を溶かすことによって採取されるものを、微隕石と呼んでいます。密度は最も重要な物理量のひとつですが、このような小さなサンプルの密度を正確に測定することは容易ではありません。そこで、質量は超マイクロ天秤で、体積はX線CT( SPring-8のBL47XUにおける透過型吸収マイクロトモグラフィー)により求めて、密度を測定しました。CTにより内部空隙も求めることができます(上図:左はCTスライス像、右はこれより固体部(白色)と内部空隙(マゼンタ色)を求めたもの)。
内部空隙もサンプル体積とみなしたバルク密度(下図の上:この図には別の方法で荒く見積もったバルク密度も示してある)と内部空隙を含まない固体密度(下図の下)をそれぞれ求めました。地球突入時に加熱されて発泡したもの(青色)と加熱されなかったもの(黄色)とで、固体密度は異なりますが、バルク密度がほぼ同じであることがわかりました。日本の小惑星探査計画である「はやぶさ」によって、2007年の6月に地球に帰還予定の小惑星サンプルにも、この手法を使う計画があります。

[ Meteoritics and Planetary Science 39, A107 (2004),
©2004 Meteoritical Society ]

画像ファイルの出典

原著論文/解説記事

誌名

A. Tsuchiyama, T. Okazawa, T. Noguchi, H. Yano, T. Osawa, T. Nakamura, K. Nakamura, T. Nakano, K. Uesugi, and H. Yasuda (2004) Meteor. Plant. Sci., 39, Suppl. A107.

図番号

測定手法

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

1 シフト

測定装置

装置名 目的 性能
X線CT装置 物体の内部構造を調べる 空間分解能で1um程度

参考文献

文献名
A. Tsuchiyama, T. Okazawa, T. Noguchi, H. Yano, T. Osawa, T. Nakamura, K. Nakamura, T. Nakano, K. Uesugi, and H. Yasuda (2004) Meteor. Plant. Sci., 39, Suppl. A107.

関連する手法

アンケート

SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている

測定の難易度

中程度

データ解析の難易度

中程度

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

4~9シフト

最終変更日 2022-05-09 15:51