大型放射光施設 SPring-8

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蓄積リング




 
 

SSBT(左)から
蓄積リング(右)への入射部

25mアンジュレータ
 
    

  蓄積リングはSPring-8の光源となるリングである。ほぼ円形の加速器で、偏向電磁石2個・4極電磁石10個・6極電磁石7個から構成される長さ30mのセルが基本構造となっている。セル間には約7 mおよび30 mの磁石のない空間があり、ここには主要光源となる挿入装置(主にアンジュレータ)を設置するほか、電子ビーム入射用の機器、加速空洞、各種のビーム診断装置も設置する。このような直線部は全部で44カ所用意されている。偏向電磁石からの放射光は偏向電磁石の上流に近い部分から取り出され、単位セル内の上流側の偏向電磁石(B1)と下流側の電磁石(B2)とでは、下表に示すように、少しだが性能(光源点での電子ビームのパラメータ)が異なる。電子ビームはバンチと呼ばれるかたまりになって周回するが、その場所はバケットと呼ばれる。蓄積リングには 2436個のバケットがあり、いつ・どのバケットにも入射・蓄積することができる。SPring-8ではこのバンチのフィリングパターンをいくつか用意している。

    
電子エネルギー < 8 GeV
周長 1435.95m
蓄積電流 100 mA
臨界光子エネルギー/臨界波長 28.9 keV/0.429Å
自然エミッタンス
2.4 nm•rad
電子ビームのサイズ (σ) 
ID
長尺ID
B1
B2
水平/垂直 
316μm/4.9μm
333μm/6.8μm
94μm/11.6μm
100μm/12.2μm
 



 
電子ビームの角度広がり (σ) 
ID
長尺ID
B1
B2
水平/垂直 
8.8μrad/1.0μrad
8.3μrad/0.7μrad
58μrad/0.5μrad
68μrad/0.5μrad
 

 


エミッタンス結合比 (κ) 0.2 %
バンチ長 (σ)  13 ps(ゼロ電流極限)
バンチ純度  5x10-10 以下
軌道の安定性
fast (0.1 ~ 200Hz)
slow (< 0.1Hz)

水平/垂直
~4μm (rms) /~1μm (rms)
1~2μm (rms)/week / 2~3μm (rms)/week

ビーム寿命
   (a) 多バンチ運転
   (b) シングルバンチ

200 時間以上
1 mA:15 時間以上
リングの真空度
ビーム有
ビーム無し
 
10-8 Pa ~ 10-6 Pa
10-9 Pa ~ 10-8 Pa
基本電磁石配列におけるベータトロン関数と分散関数の変化
基本電磁石配列におけるベータトロン関数と分散関数の変化
基本磁場配列 Double-Bend Achromat
HHLV(高水平低垂直ベータ関数)+ 4LSS(長直線部有限分散)
セル数 44 セル(36 通常セル、8 整合セル)
偏向電磁石
曲率半径
磁場
88 台
39.27 m
0.68 T
四極電磁石(セル当たり)
通常セル
整合セル
 
10 台
13 台
直線部長さ
通常直線部(40カ所)
長直線部(4カ所)
 
7 m
30 m
β関数 
ID
長尺ID
B1
B2
水平/垂直 
31.2 m/5.0 m
34.5 m/9.7 m
2.9 m/28.0 m
2.4 m/30.9 m
α関数 
ID
長尺ID
B1
B2
水平/垂直 
0/0
0/0
1.53/-0.55
1.32/0.62
γ関数 
ID
長尺ID
B1
B2
水平/垂直 
0.032 m-1/0.20 m-1
0.029 m-1/0.10 m-1
1.13 m-1/0.047 m-1
1.13 m-1/0.045 m-1
分散関数
ID
長尺ID
B1
B2
 
0.146 m
0.153 m
0.039 m
0.059 m
ベータトロン振動数 水平:41.14、垂直:19.35
電子エネルギー幅 0.11 %
運動量コンパクション因子 (α) 1.59x10-4
クロマティシティ 水平:1、垂直:2
周回周波数/周回時間 208.8 kHz/4.79 μs
加速周波数 508.58 MHz
ハ−モニック数(バケット数) 2436(=2x2x3x7x29)
最大加速電圧 16 MV
放射損失(偏向電磁石) 8.91 MV




最終変更日 2016-02-25 14:06