大型放射光施設 SPring-8

コンテンツへジャンプする
» ENGLISH
パーソナルツール
 

東京工業大学 フロンティア研究機構 細野秀雄教授が恩賜賞・日本学士院賞を受賞(トピック)

公開日
2015年03月20日
  • 受賞

    2015年3月12日、日本学士院は、「無機電子機能物質の創製と応用に関する研究」への功績に対し、東京工業大学 フロンティア研究機構 教授(同応用セラミックス研究所 教授、同元素戦略研究センター長)に恩賜賞・日本学士院賞を授与すると発表しました。
    恩賜賞は日本学士院による賞の中でも最も権威あるもので、日本学士院賞の中から特に優れた功績に授賞されるものです。

受賞者氏名(所属):
  細野秀雄(東京工業大学:フロンティア研究機構 教授、応用セラミックス研究所 教授、元素戦略研究センター長)

 ProfessorHosonoHideo

研究題目:
    無機電子機能物質の創製と応用に関する研究

受賞理由:
    細野秀雄氏は、独自の材料設計指針に基づき酸化物系の電子機能を探索し、以下の成果を挙げました。第1は鉄系高温超伝導体の発見。磁性元素である鉄は超伝導発現に有害と信じられていましたが、鉄化合物(オキシニクタイド)が高い臨界温度で超伝導を示すことを見出しました。これは銅酸化物超伝導体に匹敵する新大陸となりました。2番目は透明酸化物半導体の分野の開拓で、多くのp/n型、および両極性半導体物質を報告しました。また、透明アモルファス酸化物(TAOS)を設計し、それを薄膜トランジスタ(TFT)に用い、アモルファスシリコンより一桁高い移動度を実現しました。その一つIGZOを用いたTFTは、新型ディスプレイの駆動用に実用化されました。3番目は安定な電子化物の創製と物性の解明です。石灰とアルミナから構成されるC12A7結晶を、絶縁体―金属―超伝導体への変換に成功しました。そして、低仕事関数で化学的不活性という性質を見出し、これを利用し高性能なアンモニア合成触媒を実現しました。

【用語解説】
    オキシニクタイド
    酸素イオンとV族(リン、ヒ素)元素の陰イオンから構成される化合物。LaFeAsOはその例。

    薄膜トランジスタ(TFT)
    半導体の薄い膜の上に2つの電極と、絶縁体の薄い膜の上に電極を形成した素子で、真空管の3極管に相当する機能を果たす。
    薄型ディスプレイは、画素をこれでスイッチすることで駆動している。

    IGZO
    インジウム、ガリウム、亜鉛と酸素から構成される半導体物質の略称。

    電子化物
    電子が陰イオンとして働く結晶。エレクトライドとも呼ばれる。

    アンモニア合成
    化成品や肥料として有用なアンモニアは、窒素ガスと水素から高温・高圧下で合成されているが、低圧・低温での合成法が求められている。

その他
    細野教授は、恩賜賞の受賞理由である3つの研究分野(鉄系高温超伝導体の発見、透明酸化物半導体の分野の開拓、安定な電子化物の創製と物性の解明)すべてにおいてSPring-8のビームラインを幅広く活用し、様々な実験手法を駆使して研究されています。それら成果として、SPring-8の論文データベースにも多くの成果登録がされています。今後もSPring-8を利用した研究活動を続けられることにより、新たな研究の展開が期待されています。 


ひとつ前
放射光施設SPring-8で鉄触媒の作用を直接観察 (プレスリリース)
現在の記事
東京工業大学 フロンティア研究機構 細野秀雄教授が恩賜賞・日本学士院賞を受賞(トピック)