大型放射光施設 SPring-8

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SPring-8 NEWS 69号(2013.7)研究成果トピックスへのご質問に対する回答

クルムス蛍光体ではなぜ紫と青と黄色の光なのになぜ組成比で発光色を自在にコントロールできるのですか?赤が不足していると思うのですが?

クルムス蛍光体は黄色に発光しますが、厳密には青緑色から赤色に至る領域で発光し、中心の色が黄色です(下図参照)。また、クルムス蛍光体を構成するメタルのカルシウムとストロンチウムの組成比を変えると、結晶格子サイズが変化し、中心の色も黄緑色から橙色まで調整できます。従って、クルムスLEDは、青色蛍光体とクルムス蛍光体で白色光を構成しますが、クルムス蛍光体の組成調整により、白色光のみならず、赤みがかった白色から青みがかった白色まで自在に実現できます。

グラフ

発光に希土類元素はどんな役割をしているのですか?

クルムス蛍光体は、誌面の図3に示すメタル(※)ケイ酸塩層と塩化メタル(※)層が交互に並んだ母体結晶構造をしております。希土類元素であるユウロピウムは発光元素であり、ユウロピウムが母体結晶のメタル位置に微量に置き換わることにより、クルムス蛍光体は紫色チップからの光の刺激で、黄色の発光が出来ます。
※メタルはカルシウムまたはストロンチウム