大型放射光施設 SPring-8

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X線回折の手法と事例

梶原堅太郎
高輝度光科学研究センター 産業利用推進室

X線回折は、物質の種類を調べたり変形の大きさを測ったりする実験手法のひとつであり、これらの評価を試料を壊さずに行うことが可能である。一方、SPring-8は強力なX線を発生する施設であり、SPring-8を使ったX線回折実験は、研究室のX線装置を使ったX線回折実験よりも微量な試料を短時間で高精度で評価することができる。

東京理科大学の中井泉氏は、古代セラミックスの産地を推定するためにSPring-8のX線回折を利用した[1]。図1に示すような回折プロファイルからは、試料に含まれる物質の種類とそれぞれの物質の量の割合を調べることができる。産地の分かっている複数のセラミックスの回折プロファイルをそれぞれ予め測定しておき、その中から産地を推定したいセラミックスの回折プロファイルに似ているものを探すことで産地が推定された。

小出製作所の小出俊雄氏は、SPring-8のX線回折を使ってシンバルの変形を調べた[2]。物質が伸びると回折プロファイルは左側に、縮むと右側に移動する。変形が大きいほどその移動量も大きくなる。シンバルのそれぞれの加工工程において、シンバルの板の内部でどこがどの程度変形するのかが分かった。

図1. 回折プロファイル
図1. 回折プロファイル

 


[1] 利用課題実験報告書https://user.spring8.or.jp/apps/experimentreport/detail/8304/ja
[2] 利用課題実験報告書https://user.spring8.or.jp/apps/experimentreport/detail/14253/ja