水素吸蔵合金MgH2における水素の化学結合
問い合わせ番号
SOL-0000001269
ビームライン
BL02B2(粉末結晶構造解析)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
---|---|
B. 試料詳細 | 金属・合金, 結晶性固体, 結晶 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 室温 |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 結合状態, 構造解析, 結晶構造, 機能構造相関, 電荷密度 |
産業利用キーワード
階層1 | 電池 |
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階層2 | 燃料電池 |
階層3 | 電極 |
階層4 | 結晶構造 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.42 エネルギー・資源, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
粉末回折法は 結晶構造を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、結晶性物質の 原子位置、格子定数などを測定することができます。また、放射光を用いることにより、構造パラメータだけではなく結合状態や価数といった物性の発現と密接に関連した電子密度レベルでの構造を明らかにすることも可能です。図に示すのは、水素吸蔵合金の母体物質でもあるMgH2について測定した回折データを解析して得られた電子密度分布です。この結果から、水素とマグネシウム間の非常に弱い結合が水素の吸蔵と放出に重要な役割を果たしていることがわかりました。
図 MgH2の電子密度分布
[ T. Noritake, M. Aoki, S. Towata, Y. Seno, Y. Hirose, E. Nishibori, M. Takata and M. Sakata, Applied Physics Letters 81, 2008-2010 (2002), Fig. 2,
©2002 American Institute of Physics ]
画像ファイルの出典
原著論文/解説記事
誌名
APL, 81 (2002) 2008.
図番号
2
測定手法
放射光を用いた粉末回折法は、結晶構造を調べられる強力な測定方法です。この方法は、電子数が最も少ない水素を含んだ化合物にも適用でき、水素の位置や他の原子との結合状態に関する情報を得ることができます。
図 大型デバイシェラーカメラの模式図(左)と写真(右)
画像ファイルの出典
BL評価プレゼン資料
測定準備に必要なおおよその時間
1 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
---|---|---|
大型デバイシェラーカメラ | 粉末結晶構造解析 | カメラ半径:286.48mm, 温度:15-1000K |
参考文献
文献名 |
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T. Noritake et al., Applied Physics Letters, 81 (2002) 2008. |
関連する手法
単結晶構造解析
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
同種実験は本ビームラインの課題の30%以上を占めている
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト