ポストスピネル相転移のその場測定
問い合わせ番号
SOL-0000001276
ビームライン
BL04B1(高温高圧)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
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B. 試料詳細 | 結晶, 鉱物・岩石 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 高圧(大型プレス), 応力付加、変形, 高温(>>500度) |
F. エネルギー領域 | X線(>40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 結晶構造, 構造変化, 相転移 |
産業利用キーワード
階層1 | 工業材料, その他 |
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階層2 | |
階層3 | |
階層4 | 格子定数, 結晶構造 |
階層5 | 回折 |
分類
A60.20 環境物質, A80.30 無機材料, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
大容量高圧プレス装置、SPEED-1500を用いたエネルギー分散型X線回折は、高温高圧下にある地球内部物質の構造変化を直接調べることのできる非常に有効な手法です。図に示すのは、地球の上部マントルでの主要な物質であるMg2SiO4オリビンについて決定されたスピネル-ポストスピネル相転移の相平衡図です。実験結果より、スピネル-ポストスピネル相転が地下深部の600km付近で起こる可能性があり、従来の予想に反して地震波速度から測定された660kmの不連続面の原因とは食い違うことがわかりました。この食い違いの原因については、現在も議論されております。
;図 Mg2SiO4オリビンのスピネルーポストスピネル相平衡図
[ 放射光 12, 17-18 (1999), Fig. 6,
©1999 日本放射光学会 ]
画像ファイルの出典
所内報
誌名
Research Frontiers (1997-1998)
ページ
15
測定手法
図は、川井型大容量高圧プレス装置を用いたときのエネルギー分散型X線回折の概略です。偏向電磁石からの白色X線は、垂直、水平スリットによって典型的に0.05(垂直) x 0.1(水平) mm2に絞られます。エネルギー分散型X線回折用に、第1段アンビルにはX線が通る穴が開けられおり、白色X線はそこから第1段アンビルを抜けて、第2段アンビル間の水平方向の隙間を通り抜けます。高温高圧試料からの回折X線は、4096個のマルチチャンネルアナライザーを持つ純ゲルマニウム半導体検出器(SSD)で検出されます。このとき、20~150 keVまでエネルギーの回折データを得ることができます。ある回折角で固定されたコリメーター(0.05 mm幅)と受光スリットを通すことで、試料からの回折X線のみが検出されます。水平ゴニオメータは、0.0001°の精度で-10から23°までの回折角2θを移動できます。このシステムでは、だいたい数分間で1つの回折線を得ることができます。
図 川井型大容量高圧プレス装置を用いたエネルギー分散型X線回折の概略図
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BL評価レポート
ページ
14
測定準備に必要なおおよその時間
1 日
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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SPEED-1500 | 高温高圧実験 | 2500K、30 GPa |
参考文献
文献名 |
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Scinece, 279, 1698(1998) |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
4~9シフト