大型放射光施設 SPring-8

コンテンツへジャンプする
» ENGLISH
パーソナルツール
 

Sr2RuO4のフェルミ面構造

  • Spring8ならでは
  • 初心者向け

問い合わせ番号

SOL-0000001301

ビームライン

BL08W(高エネルギー非弾性散乱)

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料
B. 試料詳細 金属・合金, 超伝導体, 磁性体, 結晶性固体
C. 手法 非弾性散乱
D. 手法の詳細 コンプトン散乱
E. 付加的測定条件 偏光(直線), 室温
F. エネルギー領域 X線(>40 keV)
G. 目的・欲しい情報 電子状態、バンド構造

産業利用キーワード

階層1 記憶装置
階層2 HD、MO
階層3
階層4 電子状態
階層5 X線散乱

分類

A80.12 半導体・電子材料, A80.14 磁性材料

利用事例本文

コンプトン散乱測定は電子運動量分布を調べることのできる有効な手法です。この手法を用いることで、物質のフェルミ面の形状などの電子構造や各軌道の電子数などを測定することができます。測定は、バルク測定であり、雰囲気や温度、磁場などの試料の環境に影響されません。
プロファイルを再構成することにより2次元、3次元の電子運動量密度の測定が可能です。図に示すのは、実験により得られたSr2RuO4の二次元電子運動量密度分布です。

図 Sr2RuO4の二次元電子運動量密度分布

画像ファイルの出典

BL評価レポート

ページ

35

測定手法

コンプトン散乱実験は、単色のX線を試料に入射し、散乱してきたX線のエネルギープロファイルを測定します。
散乱されたX線は、電子の運動量のドップラー効果によりエネルギーに広がりを持ちます。このエネルギープロファイルが、電子運動量分布を直接的に対応しており、コンプトンプロファイル J(pz) と呼ばれます。プロファイルの積分値は試料の全電子数になります。

画像ファイルの出典

図なし

測定準備に必要なおおよその時間

4 時間

測定装置

装置名 目的 性能
高分解能コンプトン散乱スペクトロメーター 測定 運動量分解能 0.14a.u.

参考文献

文献名
N. Hiraoka, et.al., Physical Review B, 67 (2003) 94511

関連する手法

陽電子消滅法、角度分解光電子分光、電子散乱

アンケート

SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
同種実験は本ビームラインの課題の30%以上を占めている

測定の難易度

初心者でもOK

データ解析の難易度

中程度

図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数

10シフト以上

最終変更日 2019-11-22 09:12