マイクロCTによる腫瘍血管の観察
問い合わせ番号
SOL-0000001450
ビームライン
BL20B2(医学・イメージングI)
学術利用キーワード
A. 試料 | 生物・医学 |
---|---|
B. 試料詳細 | 生体組織、細胞系等 |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | |
E. 付加的測定条件 | 三次元画像計測(CT等) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 形態・巨視的構造 |
産業利用キーワード
階層1 | 製薬, その他 |
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階層2 | ドラッグデザイン |
階層3 | 薬物, 生体 |
階層4 | 形態 |
階層5 | イメージング |
分類
A80.90 その他, M60.20 X線CT
利用事例本文
癌が増殖のために血管網を回りに作り上げる過程の観察は,早期診断や新しい癌治療法の戦略を立てる上で重要です。このために,実験動物のウサギ耳介に腫瘍細胞を移植し増殖した腫瘍の新生血管の観察を,1000万画素CCDを用いた3次元CTで行いました。この結果,20~100µm径の細動脈と100µm~1mm 径の小動脈から構成され,大きさが15mm×15mm の腫瘍全体の標本について,細動脈レベルでの血管構築と腫瘍全体との関係を3次元的に初めて画像化できました。図1の画像で,中心部の空洞は腫瘍の中心部分に対応し,腫瘍中心部分に血管は作られないため,酸素や栄養の供給が絶たれ内部の腫瘍組織は壊死します。空洞の周りには逆に血管密度が非常に高い領域が取り巻いています。この部分が腫瘍表面付近に対応し,盛んに増殖し腫瘍細胞が増大している領域です。これらは腫瘍血管新生で生じた新生血管と呼ばれ,腫瘍増殖に伴い腫瘍と共に広がって行きます。
ウサギ耳介移植腫瘍の3次元CT像について30°ずつ斜めから見た像
画像ファイルの出典
所内報
誌名
SPring-8 Research Frontiers 2004
ページ
測定手法
マイクロCTに使った画像検出器は間接変換型で,X線像を蛍光板で可視光像に変換し,この可視光像を光学レンズで結像させてCCDカメラで検出します。蛍光板は厚さ10µmの蛍光体層から成ります。CCDは横4024×縦2648画素から成り,1画素サイズが6µmであり,画像検出部分は横24mm×縦16mmの大きさとなります。光学レンズの倍率が等倍であるため,蛍光板上のX線視野もこれと同じです。画像信号はカメラ内で12ビットディジタル信号に変換され,ワークステーションのハードディスクに記録されます。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
3 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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マイクロCT装置 | 3D-CTイメージング | 10M画素 |
参考文献
文献名 |
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SPring-8 Research Frontiers 2004 |
関連する手法
特になし
アンケート
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
中程度
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト