大型放射光施設 SPring-8

コンテンツへジャンプする
» ENGLISH
パーソナルツール
 

BL25SU 磁気円二色性測定装置(MCD)

問い合わせ番号

INS-0000000492

  軟X線磁気円二色性 (MCD) は強磁性体、フェリ磁性体などの電子状態や磁気状態を調査する非常に強力な手段です。BL25SUでは、ツインヘリカルアンジュレーターによる円偏光のヘリシティ反転を行いMCDスペクトルを得ています。 測定では、エネルギースキャンの各点毎にヘリシティ反転してMCDスペクトルを得ています。この円偏光反転法は高精度なMCDを得るために効果的な方法です。偏光反転には現在1Hzの周期を用いています。 
  試料への磁場印加にはWヨークタイプの水冷電磁石を用いています。この電磁石を用いた試料への最大印加磁場は±1.9 Tです。試料温度は25 K ~ 300 Kの間で可変です。吸収は全電子収量法を用いて測定します。ヘリシティ反転法と電磁石の可変磁場を組み合わせて元素選択磁気ヒステリシス(ESMH: Element Specific Magnetic Hysteresis) の測定が可能です。

    Fig.1 電磁石を備えた超高真空チャンバーの概略図。純鉄製のサブ磁極はチャンバーを貫通しており、溶接で接合することで真空封止している。

 

     Fig.2 元素選択磁気ヒステリシスの測定例。(a) Tb M4,5-、 Fe L2,3-、および、 Co L2,3-吸収端における Tb18Fe65.3Co16.7 薄膜の室温での軟X線MCDスペクトル、および、吸収スペクトル。実線つき白丸は軟X線MCDスペクトル、実線と破線はそれぞれ入射X線のプラスヘリシティとマイナスヘリシティに対する吸収スペクトルに対応する。試料への印加磁場(1.9 T)は、試料面垂直に印加された。(b) Tb M5-、 Fe L3-、および、Co L3-吸収端におけるESMH 曲線。ESMHはMCD強度の絶対値が最大となる入射X線エネルギー条件下で得ている。黒丸と白丸は、それぞれ、正磁界印加過程と逆磁界印加過程で測定された結果に対応する。

 

最終変更日 2006-02-09 09:33