BL32XU 概要
Inquiry number
INS-0000001512
ビームラインの概要
疾病や障害の原因を含めた生命現象には、膜タンパク質やタンパク質複合体が重要な役割を担っています。膜タンパク質やタンパク質複合体は可溶性のタンパク質に比べ発現・精製・結晶化が非常に困難であり、10μm以下の微小結晶やクラスタ状の結晶しか得られない場合があります。
BL32XUは結晶サイズ10μm以下の微小結晶からの回折強度データ収集、構造解析を目標として設計された高フラックス・マイクロビームビームラインです。サブミクロン精度でのビーム位置安定性、バックグラウンドノイズの低減などの技術開発を進めると同時に、微小結晶の操作技術や放射線損傷を克服する測定方法を開発し、全自動データ収集システムZOOを利用可能としました。さらにデータ処理パイプラインKAMOなど汎用的な微小結晶解析技術も利用でき、微小結晶構造解析が簡単に実現できるビームラインです。
研究分野
- 構造生物学
- 生体高分子X線結晶構造解析
- 微小結晶構造解析
キーワード
- ビームラインの特徴
マイクロビーム、高フラックス密度 - 装置
EEM集光ミラー、高感度高速X線PAD検出器
光源と光学系
このビームラインでは、SPring-8真空封止ハイブリッドアンジュレータを光源に採用しています。アンジュレータからの強い熱負荷を軽減するために、分光結晶は液体窒素により冷却しています。マイクロビームを作り出すため、縮小倍率を大きくする必要があります。このため、試料位置(集光位置)のわずか1m程度上流にEEM(Elastic Emission Machining)という技術で研磨された縦・横独立の集光ミラー(K-Bミラー)を設置しています。これらの光学系により、おもに12~15 keVのエネルギーで高いフラックスで1~10 μm角のマイクロビームを利用することが出来ます。エネルギー分解能はおおよそ10-4です。
実験ステーション
数ミクロンの微小結晶を用いた回折データ収集が可能な超高精度回折計の利用が可能です。
文献検索
連絡先
(注)e-mailアドレスは@マーク以下を省略していますので、アカウントの後に@riken.jpを付けてください。
平田 邦生
理化学研究所 放射光科研究センター 基盤研究部
〒679-5148 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-2839
FAX : 0791-58-2834
e-mail : kunio.hirata