リンゴ銀葉病菌由来エンドポリガラクツロナーゼの超高分解能構造解析
問い合わせ番号
SOL-0000001637
ビームライン
BL41XU(生体高分子結晶解析 I)
学術利用キーワード
A. 試料 | 原子・分子・ラジカル, 生物・医学 |
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B. 試料詳細 | 生体高分子、結晶, 蛋白質, 医薬品 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 単結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 低温(〜液体窒素) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 化学状態, 分子構造, 構造解析, 機能構造相関, 電荷密度 |
産業利用キーワード
階層1 | 環境, 製薬 |
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階層2 | ドラッグデザイン, 製剤, 食品 |
階層3 | タンパク質, 薬物 |
階層4 | 原子間距離, 結晶構造, 局所構造, 電子状態, 化学状態, 絶対構造決定 |
階層5 | 回折, X線散乱 |
分類
A80.50 製薬, M10.10 単結晶回折
利用事例本文
エンドポリガラクツロナーゼは、植物細胞壁の主要成分であるペクチンのポリガラクツロン酸の-1,4グリコシド結合を加水分解するグリコシダーゼです。
2002年に発表した論文(Biochemistry, 41, 6651-6659, 2002)では、SPring-8/BL44B2でX線回折実験を行い、0.96Å分解能で立体構造を決定しました(図1)。
さらに高分解能での構造解析を行うため、結晶化やX線回折実験の条件を検討した結果、BL41XUの高輝度X線を用いることで、0.76Å分解能までの回折を確認し(図2)、0.85Å分解能での構造解析に成功しました(図3)。
現在は、アンジュレータ3次光による短波長X線と大面積2次元検出器を用いることで0.7Å分解能を超える回折点を確認しています。
図1. リンゴ銀葉病菌由来エンドポリガラクツロナーゼの構造モデル (PDB ID: 1K5C)
図2. エンドポリガラクツロナーゼの0.76Å分解能でのX線回折写真
この回折写真はBL41XUで以前使用されていたCCD検出器(mar research社製 marCCD165)を用いて記録されました。
図3. エンドポリガラクツロナーゼの0.85Å分解能での電子密度マップ
画像ファイルの出典
私信等、その他
詳細
コメント参照のこと
測定手法
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
8 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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タンパク質結晶用回折装置 | X線回折像の記録 |
参考文献
文献名 |
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T. Shimizu, et al., Biochemistry, 41, 6651-6659 (2002) |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
4~9シフト