非常に大きな格子を持った結晶からのX線回折写真撮影
問い合わせ番号
SOL-0000001639
ビームライン
BL41XU(生体高分子結晶解析 I)
学術利用キーワード
A. 試料 | 生物・医学 |
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B. 試料詳細 | 生体高分子、結晶, 蛋白質, 医薬品 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 単結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 低温(〜液体窒素) |
F. エネルギー領域 | X線(4~40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 局所構造, 構造解析, 結晶構造, 形態・巨視的構造 |
産業利用キーワード
階層1 | 製薬 |
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階層2 | ドラッグデザイン, 製剤 |
階層3 | タンパク質, 薬物 |
階層4 | 膜厚, 格子定数, 結晶構造, 高次構造 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.50 製薬, M10.10 単結晶回折
利用事例本文
タンパク質の結晶は、その分子量や非対称単位中の分子数、また結晶の空間群によっては、その結晶格子の大きさが数百Åに及ぶことも少なくありません。このような大きな格子を持つ結晶では、X線回折強度が単位胞の体積に反比例するため非常に弱く、また検出器面上で回折点の間隔が小さいため分離が難しい、といった問題があります。
本事例では、1軸が590Åにも及ぶ大きな結晶格子を持つ結晶からのX線回折写真撮影を紹介します。
本事例で用いている結晶はラット筋小胞体由来カルシウムATP分解酵素の結晶です。タンパク質分子に結合した脂質二重膜の位置を特定するために、金チオグルコース溶液に浸漬した結晶によるコントラスト変調法を試みています。
BL41XUのアンジュレータ光の持つ高輝度・高平行性X線ビームを利用することで、590Åという非常に大きな格子からの回折点をきれいに分離して記録できていることがわかります。
図1. ラット筋小胞体由来カルシウムATP分解酵素のX線回折写真
使用した結晶は、空間群:P41、結晶格子はa=b=71.7, c=590.3Åです。
また使用した波長は1.0401Åで、検出器にはR-AXIS V を用い、検出器距離は600mmです。
画像ファイルの出典
所内報
誌名
C. Toyoshima and T. Tsuda, SPring-8 User Experimental Report 12, 212 (2003B)
ページ
212
測定手法
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
8 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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タンパク質結晶用回折装置 | X線回折像の記録 | |
タンパク質結晶用回折装置 | X線回折像の記録 | 検出器面積:400mm×400mm |
参考文献
文献名 |
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C. Toyoshima and T. Tsuda, SPring-8 User Experimental Report 12, 212 (2003B) |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
ユーザー持ち込み装置を使った
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
熟練が必要
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト