ミッション

放射光利用の多様なニーズに合致した種々の放射光発生装置（挿入光源）と、発生した放射光の制御・処理システム(フロントエンド)を挿入光源・フロントエンドグループでは担っている。高コヒーレントかつ高輝度のX線を得るための短周期アンジュレータ技術の開発を挿入光源チームの特色としており、真空封止アンジュレータのみならず、世界に先駆けてクライオアンジュレータや高温超伝導アンジュレータ等の新型光源の開発も行っている。その恩恵はＳＰｒｉｎｇ－８だけに留まらず国際規模まで拡がっており、次世代放射光の在り方にまで影響を及ぼしているものである。一方、光源の高性能化に伴って増大する放射パワーや高コヒーレント光ビームに対応するため、シャッター、スリット、光学窓などの放射光受光体の耐熱化や高品位化研究をフロントエンドチームでは進めており、この成果もＳＰｒｉｎｇ－８を超えて世界の放射光施設に貢献しているものである。以下に両チームの課題を取りまとめる。

挿入光源チームの課題

真空封止アンジュレータを代表とする短周期アンジュレータ技術を発揮し、ＳＰｒｉｎｇ－８挿入光源の開発、設計、建設、コミッショニング、運転、保守を挿入光源チームでは担当してきた。今後は、光源のさらなる高精度化・高輝度化や新たな付加価値獲得を目指し、下記の研究・開発課題に取り組んでいく。

• クライオアンジュレータの開発
• 高温超伝導型アンジュレータの開発
• アンジュレータ磁場の「その場」測定法の開発

フロントエンドチームの課題

フロントエンドの開発、設計、新規建設、コミッショニング、運転、保守の一切をフロントエンドチームでは担当している。その中で、世界最高性能を維持すべく、特に下記の研究・開発に取り組んでいる。

• 高出力放射パワー処理技術の開発
  • 高熱負荷機器の使用限界の探求
  • 体積発熱型受光体の最適設計
• 高精度光位置モニタリング技術の開発
• コヒーレントX線対応光学窓材の開発